I WISH ・・・10 〜真実〜 「いつ見てもここはおっきいし豪華だね〜」 「この国の首都だからね、あ、ヴァルス。おはよ〜!」 笑いながら、同僚の騎士にこえをかけるスルト。 「・・・どうでもいいけど。なぜ俺たちまでここで待たされるんだ?」 レヴン、ミレィ、スルトの3人組は、今日はレイチェルにつれられルアス王宮にいた。 今日は、レイチェルが王宮へと出勤する日だった。 彼女はここで王宮魔術師としてはたらいて、その腕前は王宮一ともいわれる。 が、平和な今のマイソシアでは、彼女の魔力が闘いに使われることもすくなく、 もっぱら王宮魔術師は古代の遺跡の研究や、町を脅かすモンスターの退治くらいなものである。 「ごめんね〜またせて」 一室からレイチェルと魔術師、騎士、盗賊が一人ずつでてきた。 「紹介するね〜、このナイト様が王宮騎士団の団長、リヴァルス。」 「よろしくな、ガキども。」 蒼く短い髪をつったて、ドロイカンランスを背負った騎士がめんどくさそうに挨拶した。 スルトの顔が急に強張った。 彼はよくこの団長に怒鳴られるからだ。それも些細な理由で。 非常に気難しい性格で、機嫌が悪いとすぐ部下にあたりまくる。 そのおかげで、最近妻にもにげられたらしいが・・・ 非常に迷惑な人で、彼のせいでやめていった騎士もかず多いが、 その実力だけは、未だに右に出るものがいない。 「相変わらず口が悪いわね〜、次にこの魔術師が私と同じ研究をしているマイトよ」 マイトとよばれた魔術師か軽く会釈した。 緑色の長髪に眼がねをかけ、上級ローブを着ているその姿は、 いかにも天才といった感じをかもしだしている。 実際、学問で彼にかなうものは王宮にはいないだろう。 「こちらの盗賊が情報収集部のエイリーン、私の親友よ」 「はじめまして♪ かわいいお弟子さんたちね」 長く伸ばした金髪と、明るい笑顔がよくあう、美人な盗賊が挨拶した。 見た目とは裏腹に、盗賊としての素質はすごいものがあり、 今は他国を渡り歩いて、情報を集める仕事をしている。 「今日は、最近みつかったスオミ洞窟の古代の石版を調べに行きます。 彼方たちの修行もかねてね♪ ただあそこはモンスターも多いし、 危険だからこの3人も一緒にきてもらます。わかった?」 その言葉を聴いて、スルトの顔がますます強張った・・・ (団長といっしょにか・・・はぁ。。。 ミレィはうれしそうに、 その行き先の詳しい話をレイチェルとエイリーンからきいていた。 レヴンは興味ない顔をしながら、横にたっているとマイトが話しかけてきた。 「あれ〜、君の背中の大きな剣にほってある文字、 それもしかしてメンタルロニア文字かい?」 「メンタルロニア文字?」 「そう、その文字は今の僕らの文明ができるもっと前に使われてた文字なんだ。 今でも古い遺跡なんかにもよくその文字が残っていて・・・ 一説によると彼らは・・・・・・・」 延々と、自分の持つメンタルロニア文字の知識を語りだすマイト。 完璧に自分の世界へはいってしまったようだ、聞く人がいようといまいと話し続ける。 「あ〜あ、またマイトの悪い癖でちゃって。 自分の興味ある学問の話題だと彼、止まらないのよね〜。」 少し呆れた顔をしてレイチェルが言う。 だが、その話をきいてレヴンも考え事をしていた。 古代の文字・・・? 俺らの世界の文字が古代のこの世界の文字だというのか? っていうことは・・・ここは・・・ 「・・・・・・で、最近はやくスオミでみつかった壁画の文字も解読してみたいね〜。 もしかしたら神に封印されたという「創造の力」の記述もでてくるかもしれないし、 それに新たな・・・・・・」 「創造の力!?」 おもわずレヴンはさけんでしまった。 マイトをのぞく5人が一斉に振り向く。 「そうだよ〜、何でもその「創造の力」でもって、神の領域にちかづいたとかなんとか・・・」 またここでも「創造の力」か・・・ どうやらほんとに、ここは俺の時代の未来らしいな・・・ 全てを理解して、すこし悲しげな笑みをつくった。 それは故郷がきえてしまったことへの悲しみだったのか・・・ けど、俺は元の時代に未練はない、あのころの自分にも・・・ 「マイト、いいかげんにして! ほら、いくわよ」 ちょっと怒った顔をマイトにみせるとレイチェルは正面門へと歩き始めた。 あとの5人もそれに従う。 「・・・・であるからにして、 あっ!! まってよ〜〜」 慌ててマイトがはしってきて、、、 ドスン! 自分のローブの端を踏んでひっくり返った。 はぁ〜・・・ 6人は同時にため息をついた。 王宮前。7人が集まっている 「じゃあいくよ〜! スオミへ、ウィザードゲー・・・」 ここまで言いかけたときだったった。 「団長! 大変です、町で巨大な魔物が・・・魔物が暴れています!」 一騎士の叫びに、7人は町へと駆け出した。
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