My Way 意地と見栄 後編 「パージかよ!」 淕が言い、龍へ突っ込む 龍はえみかさんのスペルに反応し、どんどん近づいてくる ユエも、龍へ向かう 「ハァァッ!」 最初に攻撃したのは、里美さん 炎をまとった拳が龍にあたる 龍は里美さんの方を向く ガガガ 逆手で持ったダガーが、龍をえぐる ガギィ 「つぁっ」 硬い装甲に阻まれる 「ユエ!」 レイレンが叫び、炎が弾ける ドグォン! 龍の意識がレイレンへ向く 「たく!」 怒鳴り、カフスさんが向かう 「え!?まだおわってない!」 あたしが叫ぶ まだ3分の1も回復してない まだ・・・・・・戦える状況じゃないのに 「無理すんなって方が無理なんだよ!」 カカカカッ 鮮やかな手つきで龍を刺す 目にも留まらぬ速さで 何度も何度も刺していた 「・・・・・・どけ」 アルさんの、静かな声 地面に、薄紫の魔方陣が広がる 「・・・・・・」 レイレンがその魔法を見て眉をひそめていた コウ 龍に魔方陣があたり、見えない炎が龍を焼く グルゴォォォォォォォォォォ 龍は叫び、崩れ落ちる 「カフス!」 ぐらつくカフスさんの下へえみかさんが走り寄る 「大丈夫だ、このぐらい」 出来ていたはずの止血 傷口は開き、血が流れていた 「おい、お前ら」 あたしやユエをにらみながら言う 「・・・・・・サラセンへ向かうんだろうが、俺たちに構わずさっさと行け」 「負傷者たちは、あたしたちでどうにかするよ」 ウィンクをする里美さん 「師匠・・・・・・」 「早く行け、・・・・・・仲間が先に行ってるんだろう?」 怒鳴らない、静かな声 「行くぞ」 淕はあたしの手を引く 「ユエ」 レイレンがユエの肩を抱く カフスさんは、追ってきて欲しくなかったんだ 師匠として、格好をつけたかったんだ 弟子たち、そう、あたしたちへ格好の悪いところは見せたくなかったんだ レイレンと淕はソレを悟った 男同士だからだろうか、2人は分かってたんだ ユエも、あたしも、釈然としない顔で龍の棲家を離れた スオミで少し、準備をしようという話になった サラセンの環境は凄まじいらしい 「サラセン・・・・・・か、長旅だな」 淕が呟く 「そう・・・・・・だな」 レイレンの声がいつもと違った 「どう・・・・・・したの?」 ユエが心配そうに覗き込む 「すま・・・・・・ん」 レイレンの体がぐらつく 「レイレン!」 あわててユエが抱きとめる 「!?」 あたしも慌ててレイレンにリカバリをかける まったく効果は無かった 「え・・・・・・?」 何故だろう? 魔法じゃ治せない? ヒュゥ・・・・・・ヒュゥ・・・・・・ 普通の呼吸じゃありえないような音がする 「・・・・・・思い出した」 ユエが呟く 「何をだよ」 「レイレンの・・・・・・持病」 「え?」 そういえば、レイレンが騎士を諦めたのは体が弱かったからだ 「何だよソレ」 「・・・・・・喘息」 あたしも、淕も黙る 苦しそうに呼吸をしようとするレイレンの喉の音だけが響いた ---------------------------------------------------------------------- 喘息の表現って難しいですねー その前にアスに喘息ってのあるの!? これから、Lvで言えば50ヘルぐらいに突入します〜。 この小説、Lv表記がないから分かりにくいなぁ・・・・・・ では、これからもよろしくお願いします♪
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