My Way 意地と見栄 前編 ディグバンカー 龍が居ると知ったのは最近のこと 「ノカン要塞か」 いつものようにローブを着たレイレン 「さっさと進んでしまお、師匠が・・・・・・」 ユエは心なしか焦ってる様子 「大丈夫だって、カフスさんたち強いんでしょ?」 笑って、励ます 「・・・・・・そうだね」 ゴーグルを下げ、戦闘態勢 あたしも杖を握り締める 「もらったダガーは使わないのか?」 淕がナックルをつけながら言う 「・・・・・・まだボクには荷が重いよ」 苦笑 「早く行くぞー」 レイレンが先頭を歩く 次々と襲ってくるノカンたち 「あー・・・・・・弱ぇなぁ」 眉をひそめて言う淕 口と同じぐらいに手も動いている 「ボクたちが強くなったんだろー」 ノカンたちに次々とポイズンを食らわせていく 「だなぁ、さすがにノカン程度なら楽勝だな」 突如現れる火の壁 「うぉあ!?」 ビビって叫んでしまった 「魅悠・・・・・・かわいらしく叫べ」 あたしの隣で淕が、苦笑していた 気がつけばノカンゾーンも過ぎ、敵が居ない・・・・・・と思ったら カサカサカサ・・・・・・ 「ん?」 足元で音がする 「んぁ?」 足元を見ると・・・・・・ 真っ赤な手! 「うぉあ!?」 間違って、杖で殴ってしまう 「馬鹿!!」 淕があたしを抱え、手を踏みつける 「・・・・・・淕、みゆちゃんが何やらかしたの?」 笑いをこらえて言うユエ あたしは今、淕に担がれていた 「やめてっ!パンツ見えるって!」 「いいだろ!ヘンスタ危ないんだからなっ!」 怒鳴ったら怒鳴り返された 「たっく、仲いいんだから」 レイレンが笑って言う 「うらやましいか?」 ニヤニヤして答える カカカカカカカ でかい箱へ向けて、氷柱が落ちていく 「ほら、進むぞ」 レイレンがご機嫌で先頭を歩く 「最近、レイレンの魔法がよ、キレ増してないか?」 「そんなのはどうでもイイからさぁ・・・・・・降ろして?」 いくらお願いしても、ヘンスタが居るところでは降ろしてくれなかった 「ここ・・・・・・だね」 いきなり雰囲気が変わる 何て言うんだろうか? 妙な、空気の違いを感じる あたしはやっと降ろしてもらい、自分の足で歩く モンスターの気配はしないようだ 「大丈夫ですか!?」 ユエが走っていく 倒れている人、少なくはない 「みゆちゃんっ!!」 あたしも急いで駆け寄る 最近覚えた、リカバリを使う 「龍・・・・・・が、ハイランダーが大量発生・・・・・・した 何パーティか残っているが・・・・・・ そっちを先に助けてやってくれ、奥に向かったはずだ」 途切れ途切れで、言う戦士さん 「だ、だけど・・・・・・」 「このぐらいなら、どうにかなるさ」 「行くぞ」 狼帽子を被り、ナックルをつけ完璧装備をした淕に手を引かれる 「師匠、生きてるよね」 「倒れてた人には居なかったね」 心配そうなユエ 「走るぞ」 レイレンが駆ける 「分かった!」 一瞬、ユエの体がブレる 「ウィンドウィク・・・・・・か」 淕が負けじと走り出す 「あっ、早いって!う、腕とれる!!」 つい、怒鳴ってしまう 「龍が出てきたらどうするんだよ!」 淕に怒鳴り返される ゴゥォォォォォォォォッォォォォ うなり声 「龍か!?」 先頭を走るのはユエ 黙ったままだった 「師匠!!!」 少し、進んだ部屋のような場所 其処に居たのはカフスさんたち、4人 巨大な赤い『龍』にひるむことなく正面から立ち向かっているのはカフスさん 漫才をしてた頃のような面影はなく、きっと今の姿がユエの師匠としての姿なんだろう 龍の背面に居るのは里美さん 話していたときの明るい雰囲気なんかまったく無くて 其処に居るのは己の拳ひとつで戦う修道士 少し離れた場所に居る、アルフィミックさんとえみかさん アルフィミックさんは、聞いたことも見たこともないような魔法を使っていた 「・・・・・・古代魔法」 少し前で、レイレンのつぶやく声が聞こえた えみかさんの表情は真剣だった あたしを、助けてくれたときと同じ顔 「師匠!!」 ユエが突っ込む カフスさんの気がそれる ソレを見逃す龍じゃない・・・・・・! ガギィ 盾でも防ぎきれない 「っあぁぁっっ」 ユエより先に淕が突っ込む 龍とカフスさんの間に割って入る レイレンがファイアーボールの何十倍もの火の玉を出す ユエは斜め後ろから龍を突き刺す 「カフスさんっ!?」 「ヘマしちまったなぁ」 苦笑しながら肩を抑える 血がにじんでいた えみかさんは淕やユエ、里美さんの回復に集中していた 「すぐ、治りますから」 あたしはそう呟くと、傷口に手を当てリカバリを唱える 「ユエも、強くなったな」 ユエは巨大な龍にしり込みもせずに切りつける 「昔は、俺の後ろから出てこなかったのに・・・・・・懐かしいな」 少し、微笑む 「ユエは強いですよ 精神的にも・・・・・・」 あたしとは比べ物にならないぐらい、ユエは強いと思った 独りで生きることは簡単なことじゃないって事を、あたしは母から聞いていたから ゴゥゴォォォォォォォ・・・・・・ 龍の、雄叫び 回復をしている間に龍は倒れていた 「師匠!大丈夫!?」 ユエが駆け寄ってくる 「お前が声かけてきたから悪ィんだろが」 笑って答える 「全然平気みたいね」 えみかさんも、駆け寄ってくる 「当たり前だろ」 鼻で笑って答える 「・・・・・・来たぞ」 低く、小さい声だが良く響くアルさんの声 レイレンとアルさんの近くに、赤い龍が居た ----------------------------------------------------------------------- 続きます〜 かなーりお久しぶりですね! スイマセン、停滞してて!って待っててくれる人は居るのかしら・・・・・・
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