My Way 私には何もないけれど 夢を見た どんな夢だったと言われたら答えられないけど すごい寂しい夢だった あたしは暗い道で独り、泣き続けてた 何が悲しいのが分からない ただ、悲しくて、寂しくて、辛くて・・・・・・ 立つことすら出来なくて独り、座り込んで泣き続ける 涙は枯れることなく、流れ続ける 何時間泣いたんだろう? 気が付いたら、目の前に人が居た 暗くて、顔は見えない その人はあたしの首に手を当て・・・・・・力を込める かはっ・・・・・・ 息が出来ず、もがくあたし 「・・・・・・辛いなら、殺してやるよ」 そうつぶやいた声は・・・・・・ 何度も聞いたことがある 信じたくない だけど・・・・・・ 何で・・・・・・? 「ヤッ・・・・・・やめっ・・・・・・ぁっ・・・・・・りっ・・・・・・」 「はうぁぁぁっ」 あたしは驚いて目を醒ます 今のは夢・・・・・・? 大量の汗 嫌な夢だな・・・・・・ 「どうしたの?」 ひざを抱えて毛布に包まっているユエ まだ夜中、夜空には星が煌く 「嫌な夢見て・・・・・・」 あたしはユエの傍へ寄りながら言う ユエに頭を向け、寝転がる 「そっか・・・・・・」 そう呟くとあたしの手を握る 「?」 「君も、ボクにこうしてくれたから」 恥ずかしがるように、言うユエ 顔をひざに埋めて呟く姿が愛らしい 照れてるなぁ 「みんな寝てるね〜」 手を繋いだまま、仰向けになるあたし 「疲れてたんじゃないのかな?」 「特にレイレンは疲れたでしょ〜ね〜」 あたしはからかい混じりに言う 「え?何で?」 「戦士服着たり、アメットをねぇさんに借りに行ったり、色々よ」 「お世話かけちゃったなぁ・・・・・・みんなに」 ポツリと、申し訳なさそうに言う 「良いんじゃない?別に。あたしもかけてるし」 笑いながら言うあたし 「いいのかな?」 「良い良い」 気楽に言う 頼って、頼られて・・・・・・ ソレがパーティってものなんだろう 「おきてたのか?」 ワンが、目を醒ます ユエはそれでも手を離そうとはしない 「おはよぅ」 「おはよぅには早いかな?」 そう笑いながら言い、焚き火に枝を投げ入れる 「だね、もしかしてうるさかった?」 ユエも笑いながら言う 「いや、なんだか目が醒めてな」 立ち上がるワン そのまま背伸びをし、あくびをひとつ 「本格的に起きる気?」 ワンの行動を不思議に思いながら言うあたし 「あぁ、来るぞ」 そう呟き、剣を握る ふっと、顔を挙げ、立ち上がるユエ 彼女の手には大振りのダガーが握られていた 「似合わないよね?無理してこれ使ってる」 そう呟いて微笑む 「流石にその服にシーカーは・・・・・・な」 ユエがいつも来ているのはへそだしの盗賊服だった 「このダガーはね、ボクに生きることを教えてくれた人がくれたんだ それからずっと使ってる。もう手首も腕も、慣れたし普通のは使いにくくなっちゃった ボクに力は無いし、重さがあったほうがよく切れるし・・・・・・ね」 そういうと、笑ってシーカーを振る ダガーに振り回されてるような雰囲気もあるが、サマになってる 「俺もそんなモンさ、 この剣は俺のレベルじゃ扱えるような代物じゃないんだろうが・・・・・・今は無理やり使ってる」 そう言って、構えを取るワン 「あたしはそんなのが全然ないからなぁ・・・・・・」 呟き、立ち上がるあたし 想うものも、想いのこもったものも持ってない だけどあたしは気にしてない これから、作っていけばいい ユエの辛さも ワンの強さの理由も レイレンの想いも 陸の気持ちも あたしは何も知らないけど・・・・・・ 理解する、努力はしよう あたしは強くなろう 「あ、かわいい」 考え事をしていたあたしを、ユエの声が引き戻す 「かわいいが、強いぞ」 あたしもつられてそっちを見る かわいかった 茶色いもこもこ ピンとたった耳 くりくりした瞳 「かわいーーーーーっ」 ついつい叫んでしまうあたし 「近づくなよ?」 そう言って、ワンはあたしの前へ出る ユエも、ワンの隣へ出る 「どっちがファースト出る?」 「モンスターと戦ったことあったのか?」 「一応、ね。キキぐらいまでなら戦えるよ」 「俺が行くよ」 ワンが呟き、腰を深く落とす 剣は横に構える ワン独特の、構えだ ユエは両手でシーカーを握る 「行くぞ」 「うん」 ワンが駆け、少し遅れてユエが追う ピュピッ 三日月の弧を描く剣 ぐちゃ 生々しい音とともに、茶色いのがビクンと震える ひるんだのも一瞬のうちで、茶色いのはワンへ体当たりを続ける ワンは、テンポよく三日月の弧を描き続ける ユエもダガーを片手に握り、刺しては回す 茶色いのはもう、一度も動きを止めず、ワンへ襲い掛かる あたしもなれてきた回復で、ワンを癒し続ける 鮮やかな三日月の弧と すばやいダガー このまま勝ちそうだなぁ 「何やってんだよ!」 陸の声だ あたしは、少し夢を思い出しひるむ バヂバヂィ 明るい雷 凄まじいスピードで、殴り続ける はたと思いついたようにユエが背面に回り、一撃 ぐちゃり・・・・・・ 生々しい音が鳴る 「そろそろ寝たら?美容に悪いよ」 冗談だろうが、声は冷静そのもの ある種の恐ろしささえ感じる声だった どんどん、ユエのダガーがめり込んでいく ぐちゅり・・・・・・ぐぢゅ・・・・・・ 利き腕の手を真っ赤に染めて、えぐる 抵抗しようともがくが、背面を取られているので動けないでいる茶色いの 「おやすみ」 そうユエは呟くとダガーを引き抜く 引き抜くと同時に、茶色いのは力なく倒れた 「恐いぞ、ユエ」 顔を引きつらせながら言う、陸 出番が無くて寂しかったみたいだった 「そーかな?」 そういったユエの右手は真っ赤に染まり、左手にはスキルブックが握られていた 「何のスキル?」 あたしはワンの傷を癒しながら聞く 「多分、ネイトマナじゃないかな?まだアイデンティファイが使えないからわからないけど」 そう言って、布で右手を拭く 「ネイトマナ?」 「盗賊専用スキルで、魔力の回復を一時的に高めることができるんだ」 「へ〜・・・・・・」 「使えるようになったら、みゆちゃんが楽になるでしょ?早く覚えれるように頑張るね」 そう言って、笑う 「せっかくだから、レイレンにもかけてやれよ」 笑いながら、言うワン 「レイレンが悲しむぞぉ〜」 「えぇ、アイツにも?やだなぁ・・・・・・。あ、手が生臭い」 噂をされてるレイレンは、ぐっすり寝ていた 続く ---------------------------------------------------------------------- お久しぶりです・・・・・・VerUpでひたすらアスしてました・・・・・・ 賊の攻撃方法って、えぐいですよね ユエ、エグぃです・・・・・・。スイマセン><。
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