第七話〜珠の正体〜 そのころミールはミルレスの神官に会いに行っていた。 神官さんなら、救ってくれるかもしれないと思ったからである。 「あの・・・・・・神官さん。」 「あら、ミールさん。今日はどうなさいましたか?」 神官は、穏やかな声で返事をした。 「じ、実は・・・・・・」 ミールは、今までの出来事、夢を全部話した。 「ちょっとその珠を見せていただけませんか?」神官は興味深そうに言った。 話が終わると、神官は何か意味ありげにそう言った。 「と・・・・・・取らないですよね!?」 まさかと思いつつも、ミールは神官に尋ねた。 「取りはしませんよ。ただ確かめたいだけです。」 神官は、ミールに優しくそう言った。 「わかりました。これがその珠です。」 ミールは素直に、神官に渡した。 神官はその珠を持って、なにやら呪文を唱え始めた。 ミールは、ただジッっと様子を見ていた。 呪文が終わると、神官は珠をミールに返した。 玉を渡すと、ミールを鋭い目つきで見つめた。 「ど・・・・・・どうしたんですか?神官さん。 この珠は、何かいけない物だったんでしょうか?」 恐る恐る、ミールは訊いた。 「それは――」 神官は、突然話をさえぎった。 突然、周囲で音がした。
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