第四話〜秘密1〜


その晩、二人は疲れてるのか、ベットに入ると、すぐに寝てしまった。

 ミ――ル――

 お前も――いつかは――

 こう――なるのだ――

 そして――メルスも――マサイの――

ミールは驚いて飛び起きる。

さっきの夢のせいか、呼吸が荒い。

あたりを見渡しても、特に変わった事は無かった。

外を見ると、もうすっかり日が照っていた。

さっきの悪夢とは裏腹に、ここは平穏そのものだった。

安心したのか、ミールは眠そうにあくびをした。

ふと、メルスが居ないことに気がついた。

もう狩りに出かけてしまったようだ。

ミールは、あの夢はなんだったんだろう?と思いつつも、外に出た。


丁度その頃、メルスは狩りをしていた。

しかし、狩りをしつつも、昨日のクゥリスの事が、頭から離れなかった。

「なぜなんだ。なぜ墓にもならず、死んだんだ?」

何度も自分に問いかけた。

だが、答えがでる事は無かった。

そうしてる内に、ミールからWISが来た。

「メルス〜。一緒に狩りいかない?」

その声は明るく、昨日の暗さが嘘の様に思えた。

「わかった。どこに狩りにいく?」

「ん〜、ひさびさにマサイの近くの遺跡いかない?」

マサイは昔、神などを祭るために祭壇を作ったと言われている。

今は古ぼけているが、当時は立派だったらしい。


「たしか、あそこは結構強い敵が多かったけど、大丈夫か?」

心配してメルスがそう言った。

「大丈夫よ。私達、今いくつだと思ってるの?

60越えてるんだから、昔の様には行かないわよ〜♪」

自信満々に、ミールは答える。


結局、二人は遺跡に行くことにした。

メルスが心配したとおり、少し厳しかったが、

なんとか協力し合い、頑張ってレベルを上げていった。

しばらくして、無数に存在する遺跡の中で、一番大きい遺跡に向かう事になった。

なぜか、いつもこの周りは敵がいなかった。

「ここは昔から儀式に多く使われていた。その影響で敵がよりつかんのじゃ。」

昔のおじぃの言葉を思い出していた。

「ここで休憩するか?」

「うん。わかった」

メルスが訊くと、ミールはそう答えた。



数分後――

なぜか、二人の間に沈黙が続いた。

「ミール」

突然、メルスが沈黙を破った。

「ど・・・・・・どうしたの?メルス」

ミールは何か別の事を考えていたらしく、すぐに返事をする事ができなかった。

その声には、戸惑いが感じられた。


「昨日のクゥリスの――」

「さぁ〜、休憩終わり。メルス、狩りの続きしよ!!」

メルスがそう言いかけると、ミールは突然話をそらした。

メルスは、ミールが何か隠していると言う事に気がついた。

しかし、それは、訊いてはいけないような気もしていた。

何事も無かったかの様に、狩りは続けられた。

しかし、二人とも喋る事は無かった。

そして、その沈黙は夜まで続いた。


「今日は遅いから帰ろうか」

気がつけば、日はすでに沈みかけていた。

「うん・・・・・・わかった・・・・・・。あのね・・・・・・」

ミールは、昔のおどおどしていたあの頃に戻っていた。

「どうした?ミール。」

不思議そうにメルスは訊いた。

「内緒にしてたんだけどね・・・・・・実は――。」

ミールは、思い切ったように、メルスの顔を見た。