第三話〜男との出会い〜


「あっ!」

人だかりの中から、そんな声がした。

誰かが人ごみを押し分けて、前にでてきた。

紛れも無く、俺の後からミルレスに来た、彼女だった。


自己紹介が遅れたようだ。

俺はマサイから来たメルス。

趣味といっちゃ〜なんだが、冒険が大好きだ。

そして彼女が、俺と同じマサイから来た。

名前はミール。

さて話を戻すことにしよう。


「ミール、この男を知ってるのか?」

「えぇ。この人は、私と一緒にマサイを出た人ですもの。」

メルスは驚いていた。

顔色も良くなさそうだ。

おそらく、人間の死体なんて、はじめて見る為だろう。

けど、自分もどんな顔色をしていたかは判らない。

二人は、さっきの場所から少し離れた場所で話す事にした。

「たしか、名前はクゥリス。

メルスが出て行ってから、すぐ私もマサイを出たの。」

でも、その時の私は、到底一人でたどり着ける力は無かった。

けど、クゥリスさんが助けてくれたおかげで、何とかたどり着く事ができたの。」

メルスはあきれた顔でミールを見ていた。

だが、ミールはお構い無しに話し続けた。

「ミルレルに着くまでの間、彼にはレベル上げを手伝ってもらっていたの。

ミルレスに着くまでは、一緒にいたんだけれど・・・・・・」

ミールは、何か良い難いのか、言葉を詰まらした。

「ん?何かあったのか?」

「・・・・・・」

「無理には話さなくていいけど、一人で抱えるなよ。」

「う・・・・・・うん。」

ミールの顔が、青ざめていくのがわかった。

いつのまにか、日は暮れていて、星が輝いていた。

「もう夜か・・・・・・。ミール、よかったら、家に泊まってくか?」

「あ、もうこんな時間・・・・・・。うん、お邪魔するよ〜♪」

ミールは明るくそう言ったが、無理に明るく振舞っているようだった。

その晩、二人はお互い疲れてるのか、すぐにベットに入ると、そのまま寝てしまった。