第二話〜事件〜


 決して・・・・・・命を粗末にしてはならんぞ。

おじぃはそう言った。


あれから10年・・・・・・ミルレスに来てから、もう10年もの年月がたった。 ※その1

10年前のひょろっこさが、今はその面影も無い。

61服も着慣れてきた。

今は自分の肌みたいな感じだ。


だが・・・・・・。

一つだけ疑問が残る。

10年前に、おじぃと一緒に話を聞いていた女の子。

あのおどおどした女の、この変容振りが、オレにはどうも理解できなかった。


10年前。

「マサイ以外の地へ行ってみたい。」

オレは、そう言ってマサイを出ようとした。

その時、オレが行こうとした時に、自分も行くと言い出して、聞かなかった女の子がいた。


その場は、女の子の母親が説得して行くのを断念したようだが・・・・・・

その数日後、驚いた事に、狩りから戻ったオレの目の前に、その女の子がいた。

驚く俺だが、それに対して目の前の女の子は、「来ちゃった♪」と気楽なものだった。

慌てたオレは、マサイにいる、彼女の両親にWISを入れた。


「どういうコトなんだ?なんでこっちに彼女が来てるのさ?!」

「すまん。油断している間に、行ってしまったらしい。」

「マジかよ(−−;」

返答に対し、苦笑する事が出来なかった。

しかし、もっと驚いたのは、早着替えしたであろう女の子の服装だった。

(は?!Lv61服?!)思わず動揺した。

「えへへ。これで同じだね〜♪」

笑ってる女の子。それに対し、笑えないオレ。

そんな空気が流れていた。

しかし、しばらくして異変が起こった。


ある日のコト・・・・・・

オレが、いつものように狩場からミルレスの町に戻った時の事だった。

そこには大勢の人がざわざわと言い合って、何かを見ている。

(一体何を見ているんだ?)

人ごみの間に入り、最前列まで行った時だった。

オレの視界に飛び込んできたのは、61の修道士の衣装をその身に纏った修道士の男性。

そして、オレと同じマサイの都市から来た人だった。


「あの人、寝ているのかしら?」

「もし、死んでいるとするなら惨い死に方ね。」

「よっぽど普通じゃない死に方をしたのね。墓にならずに倒れているなんて」

そんな声が聞こえるのなんかお構いなしに、オレは、倒れている彼の体を揺すった。

しかし、反応はない。

おそるおそる、首の辺りの脈を調べてみる・・・・・・。

しかし、こちらも動いていなかった。

(死んでる・・・)

目の前が、真っ白になった気がした。

「覚えておくがよい。いつかどの職業になったとしても、決して・・・・・・命を粗末にしてはならんぞ」

おじぃの一言を、思わず思い出していた。

・・・・・・そんな時だった。


「あっ!」

人だかりの中から、声がした。


※その1 当時、修道士は最初、ミスレルに飛ばされました。      その当時の物語と言う事で^^;