Mana of Saga 壱拾壱


カプリコ三騎士の撤退による05連隊の前進、ウィザーディアの参戦

何よりもカプリコ軍総司令官ディカメン将軍の死が一番の決め手だった…。

もうすぐ戦争は終わる…次の世代への恨みを残して…。

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ヒュ グサァ

混血の魔術師の手から放たれたナイフがカプリコにつきささる

「ファイアボール!」

火の弾がカプリコを焼き払う

「ほんと、ナイフ投げからのコンビネーション好きだね〜」

「悪かったな」

「そう怒らないでよ〜これでも誉めてあげているんだからね〜」

数、士気ともに俺達が勝ち始めている

もうすぐ…もうすぐ…終わる

この戦争が…。

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最前線では、まだカプリコ達の抵抗が続いていた

風の前の灯火のような抵抗が…。

「隊長!!!報告です!!ミルレスの門が開きました!!!」

(ほぅ…神殿の高僧たちもやっと協力する態度を見せたか…

               だとすると俺達の仕事は終わりだな…。)

「全隊員に通達!!我が隊は戦線を離脱、ルアスへ帰還する!」

ルアス王立特殊部隊、通称「ゾディアック」

その隊の隊長「ルッツ・ハルトヴィック」が言った

「了解!!!」

主役が一人舞台から降りていった…。

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戦争は終わった…。

後の世に「ハルトヴィックの戦い」として名を残す戦いが…

戦士達は剣の舞を舞い、魔術師たちは魔法で花火を上げ

盗賊が曲芸を披露するなどして、野営地は勝利の高歌が響き渡った

だが、俺達は手放しで喜ぶ事は出来なかった

いまだに王子さまが眠りからさめないのである・・・・・・。

(ったく…お姫様が眠りから覚めないのはわかるが

        王子さまがお姫様を残してねむりつづけるとはね)

「みんな、明日朝イチでミルレスに行こうよ…。」

「あぁ」 「そうしましょう」「当然でしょ〜」 「そうだな…」

全員一致で決まろうとしたときだった

「おっと、まだ一般兵はミルレスには入れないぜぇ」

(またコイツらか…。一体今度は何の嘘を教えるつもりなんだ?)

「なんでよ!!」

「おっとお嬢ちゃん、アンタはモニカと違って怒ると恐い顔になるね〜

          まぁそう熱くなりなさんな、王子様は必ず起きるからよ」

そういってリーナをなだめると、アルバートは話を続けた

「ミルレスはいまんところはまだ戦闘態勢らしいな

      入るには中尉以上の階級をもつ奴が一緒じゃなきゃいけねぇ」

リーナの顔が曇った

「だが安心しろ、俺はあいにくだが少佐だ。

お前ら全員引き連れて入っても、全然あやしまれやしねえよ」

「同行してもらえますか?」

「この男はそれが目的できたのよ、断るはずないよね?」

とモニカがアルをにらみつけながら言った

(さっきの言葉、失言だったな)

「あ…あぁ…」

「やったぁ!!!!!!!!!」

俺達はこれでミルレスに入れる….

その日の晩は妙によく眠れた…。

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俺達はアルバート達に連れられ、ミルレスのゼシン神殿へ向かった

相変わらず王子様は目覚めない、だが時期に目覚める眠りだ

「さ、ついたぜ、俺達はミルレスの宿にいるから」

俺達は一目散に神殿の中へ走った…。

「迷える子羊達よ、ようこそゼシン神殿へ今日は一体どのようなご用件で?」

僧官の服を着た女性が言った

「この人を治して欲しいのですが…。」

僧侶が王子様の顔を見てすぐ言った

「早急に最高神官さまのところへお連れいたします、こちらへどうぞ」

古めかしいメンタルロニア語が掘り込まれた廊下を通り抜けると、大きな部屋へ出た

「この先が最高神官さまの部屋になりますが…皆さんは入る事は出来ませんが

     付添い人1名のみの入室を許可します」

俺達はリーナの方を一斉に見た

「じゃあ私が行きます。」

「はい、ではこちらへ…。」

狭く小さな扉の中へ吸い込まれていった・・・・・・。

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数時間後、眠りから覚めた王子様が、涙で顔が濡れたお姫様を抱いて戻ってきた

「みんな……ゴメン」

俺が殴ろうとする前に、ロフの手がレオンに伸びた

バキィ!!

「もう二度とこんな事するな」

「あぁ…わかっている、すまなかった」

今、ここゼシン神殿で「俺達」の戦争は終わった…。

「じゃ、レオンの復活を祝って町に行きますか!!」

「あぁ」「そうと決まれば膳はいそげ〜」「楽しみですね」「…」「そうするか」

俺達は野営地に戻らず、ミルレスの宿屋で夜をすごした

久しぶりに聞くレオンのピアノ、華麗な踊りを見せるサラ

酒ばかり飲んでいるエリー、料理が何気に美味いロフ

酔っ払って喧嘩しているアルバートとモニカ

そして、ずっとレオンのそばにいるリーナ

(こんな時間がずっと続けばいいな・・・・・・)

皆が寝静まった頃、リーナからレオンへ本当の愛の告白と別れが告げられた…。

「私、スオミには行かない…ここに残って聖職者になる」

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ふぅ〜引退の挨拶回りで更新が遅れてしまいました…。

作者の逆毛です。

早速ジャンクマン様使わせていただきました

これからもいろいろな方のキャラを使わせてもらうかもしれませんが

よろしくお願いします

あと、今までちゃんと読んでくださった方(いることを願う)ありがとうございます

まだお話は続くので出来れば読んでください(強制じゃないので…)

文句・意見・感想はレスにてお待ちしております