『神々のその後〜前兆〜』


マイソシア大陸 午前10時。

それぞれの町には露店をしている人の姿や往来の人が行き交っている。

いつもと変わらない、日常の風景。

しかし、今日はほんのちょっとだけ

マイソシア大陸の空に少しだけ変化が起きようとしていた。


その頃、太陽の世界。

「あれ?(・・?」とエリアは不思議な感覚がした。

「どしたの?エリア(・・;」と訊いたグレゴリに

「何だか分かりませんが、力がみなぎってくるような感覚が・・・(・・」

とうやうやしいような口調で話すエリアに

「…エリアー。頼むからその堅苦しい口調やめてよね。他人行儀みたいでヤダ!><」

と子供っぽいことを言い出すグレゴリ。

しかし、そう言われて「はい、そうですか。」と言うようなエリアではない。


「そうは言われても、あなた様は新たな王なのです。そこのところ自覚持って下さい」

とキッパリ言われて、言い返す余地のなさそうなグレゴリだったが…。

「でも、今は誰も居ないじゃん!!><」と何とか言い返した。

確かに、今この空間にはエリアとグレゴリ以外は誰もいない。


「では言わしてもらうが…」と話を切り出そうとしているエリアは

何?(・・?って顔したグレゴリを見ると

「グレゴリは、王なのに未だに自覚ないでしょ? 偉い人になるってこと。

物言いは未だに子供っぽいし、変わった?と思えば演義だし…。

だから、少しは自覚持ってもらおうと思って、敬語で話しているの!(・・#」

とやや怒り気味のエリアに「はい(^^;」と苦笑で頷いたグレゴリがいた。


30分後・・・太陽市場。

「おかみさーん><」と宮殿をこっそりと抜け出したグレゴリは、

八百屋のおかみさんの所に泣きついた。

「おやおや、グレゴリ。その様子だとまたエリア様にキツイ事言われたね(^^」

「うん…って、何で分かるの?!煤i・・;」

「アンタは分かりやすいからね。(^^」と陽気に笑う、おかみさん。


そう…グレゴリは誰かに厳しいことを言われてショックを受けると

大体この八百屋のおかみさんのところに行くのだ。

そして、おかみさんもそのことを知っているので、大体この後には…。

「まぁ、いいじゃないのさ。心配してくれるっていうのはいいことさ。

本当に悲しいのは、心配してくれる人が居なくなってしまったり

忘れ去られてしまうコトだよぉ(・A・ノ☆(x。x)」

とグレゴリの背中をいきおいよく叩いてくれる。


背中を叩かれるのは痛いが、それでもグレゴリはこの八百屋のおかみさんを

母親みたいな存在のように感じている。男勝りな八百屋のおかみさん。

けど、そのおかみさんの元気に助けられているのもまた事実だった。


「しかし、何だか悪寒がするねぇ。(・・;」

ぶるっと身震いする八百屋のおかみさん。

「大丈夫?(・・?」と心配そうに訊くグレゴリに

「グレゴリ、よくお聞き。これから宮殿に戻ったら、部屋から外に出ちゃダメだよ。」

真剣な顔で言う八百屋のおかみさんに

「うん、分かった。おかみさん、またいつか来るね(^^ノシ」

と言うと、グレゴリは宮殿に向かって歩き出した。

「何だか気分がすぐれなくなってきた。今日は店じまいだね。(−−」

とおかみさんは、店を閉め始めた。


その頃、マイソシア大陸。

「なんか…起きそう。」空を見上げている人達の中から誰かがそう…つぶやいた。