『神々のその後〜宴(うたげ)〜』


マイソシア大陸 午後7時。

太陽が沈み、空に現れた月が穏やかに光る夜。

「キレイねぇ(^^」

と外で草の絨毯に腰を下ろして月を眺めるのは、71服の戦士の女性。

「そうだね(・w・」

と同じように隣で月を眺めるのは、71服の聖職者の男性。


「月って不思議ね。見ているだけで気分が落ち着くもの(^^」
と言う戦士に

「そうだね。でも、月のあの輝きは太陽があるかららしいよ(^^」

と言う聖職者。

「また勉強したの?(^^」とクスッと笑う戦士。

「うん。でもね、こんな話も見たよ。

太陽と月は、大昔に夫婦だったっていう話。」

と言う聖職者に

「興味深いわね、どんな話かしら?(^^」と質問する戦士。


「昔々…この世界が神々しか居なかった頃のコトだよ・・・。」

と聖職者は語り始めた。


それとほぼ同じ頃、太陽の世界では新たなる王を祝う祭りが行われていた。

祭りと言うと、多少大げさなように聞こえるが

太陽の世界の住民総出でどんちゃん騒ぎをしていた。


「まったくもってビックリしたわよぉ、グレゴリ。

アンタのコトは、幼い頃からよく見かけていたからねぇ。

でも、本当にリッパになったわねぇ。おめでとう(^^」

と八百屋のおかみさんが満面の優しい笑顔でグレゴリに話しかけた。

「ありがとう、おかみさん。また時々顔出すから、よろしく(^^」

とグレゴリは笑って言った。


太陽の世界の町広場では、酒盛りをして盛り上がる者。

あらたな時代に期待する者・これからの未来を垣間見ようとする者。

いろんな者達が楽しんでいた。

しかし、グレゴリだけはどこか違っていた。


(そう言えば、エリアどうしたんだろう?(・・。))

祭りが始まるちょっと前から、エリアの姿が見えない。

(探してみよう・・・かな。(・・))

ふと思い立ったグレゴリは、歩き回ってみることにした。


町の人たちは、みんな思い思いに太陽の神を模した仮面をかぶったり

どこからか聞こえてくる楽しい音色にあわせて踊ったりしている。

「うーん。(・・三・・)…いないや。」

周りをきょろきょろ見回して、自分の感覚に頼ってみたが

ここに居るという感じがしない。

(別の場所に行ってみるか(・・))と思い直してグレゴリは歩きだした。


30分経過…。

(いない。広場のどこにも一体、どこに・・・?(・・;))

と考えていたグレゴリは、アッ!と何かを思い出した。

そして、ある場所へと走った。


太陽の宮殿…エリアの部屋。

(お祭りは楽しそうだけれど、人が居るのは苦手だな(−−;))

そう思いながらも窓のヘリに腰掛けて、祭りの様子を見るエリア。

しかしその格好はいつもの月の衣装ではなく、太陽の世界の服装だった。

(グリフィゴール殿の提案は、やはり受けられないな。)

と思っていたエリア。


その刹那。

「ドンドン!」とエリアの部屋のドアを叩く音と共に

「エリア!お祭り行こう!(・・。」

とドアの向こう側から聞こえてくるグレゴリの声。

「悪いけど、今日は放っといてくれないかな?」

とドアの向こうのグレゴリに向かって言うエリア。

すると、ドアの向こう側からドアを叩く音が聞こえなくなった。


(行っちゃった・・・かな?(・・?))

少しだけ気になって、そーっとそーっと忍び足。

エリアは、ドアのあたりまでやってくるとソーッとドアを開けた。

すると・・・


「なーんだ!やっぱり居たじゃん(^^」

とドアの近くに居たグレゴリに見つかった。

「わ・・・っ、私は行かないぞ。煤i・・;」とうろたえるエリアに

「遊びに行こうよ!(^^」と言い出してエリアの手を引っ張るグレゴリ。

少しの間。何とか耐えようとしたものの、

腕力で負けたエリアは、ドアの外へと引っ張りだされた。

その反動でグレゴリがしりもちをついて・・・。


「あああああああ!!!煤i・□・;」とグレゴリは驚いた。