その3


クーリエの家…。

居間のテーブルに肘をついて、ボーッとしている末っ子に

クーリエは、いつもとは違う空気を感じていた。

(何か…こう…いつもだったら、ラファンと一緒でテンション高いのに。

今は別人みたいだなぁ(^^;))

口には出さないものの、それだけは気が付いた。


「イリューム。訊いていいかな?」とクーリエに言われて

「うん(・・)”」と頷くイリュームに

「何となくで思ったんだが、もしかして記憶喪失か?(・・?」

末っ子の性格がストレートで遠回しな発言が嫌いなのを知ってるせいか

クーリエは、単刀直入に訊いた。


「さっき…同じコト言われた。他の人から…多分、その人は

オレが記憶を失う前までは、親しい友人だったのかもしれないね。(^^」

何となく自嘲気味に笑って言う、イリューム。

「そっか。でも、例え友人がお前のコトを見捨てても

オレやみんなは、見捨てたりしないよ。4人だけしか居ない兄弟だからね。」

にこっと優しい笑顔でクーリエは、そう言ってのけた。

(やっぱりこの人は、オレの兄ちゃんだなぁ(^^))

半信半疑だった気持ちが、信頼になっていく。


「…しかし、困ったものだな。原因が分からない上にヘタに直そうとすると

逆に悪化する可能性もあるからなぁ。(^^;」

ほとんど苦笑のクーリエ。

「イミットが…当たったらしいんだ(^^;」

とイリュームが苦笑で答えた。

「?!煤i・□・;」と驚くクーリエ。


ムリもない。イミットは、ほぼ不可避。

避けるコトは、ほとんど不可能に近い魔法の技だから…。


(よく死ななかったなぁ(^^;))

半分くらい、『奇跡の生存』した者でも見たような気分だった。

「ともかく、イリューム。記憶が戻るまで家に居ればいいよ。

ゆっくり時間をかければ、元に戻るかもしれないからね(^^」と言われて

「うん。兄ちゃん、ありがとう(^ワ^」とイリュームが笑った。


2人が話している間もクロスティアは、眠っていた。

「記憶…喪失…。…がんばれ〜むにゃむにゃ。」

ナゾの寝言を残しながら。