第5話 『選択した理由』 もともと魔には大別して2つの種類がある 『WIS魔』と『INT魔』だ。 クリスとレインは、悩んでいた。 (自分はどっちになるべきか?)と スオミ町・・・。 「それにしても今日でやっとLv15ね(^^」 嬉しそうに言うレイン。 「そうね。」とクリスは、無表情で何かを考えているようだった。 (クリスは、何を考えているんだろう?) レインは不思議に思った。 「レイン…ステータス何に振ってるの?」 そう訊かれて、レインは 「え?WISだよ(^^」と答えた。 「そっかぁ。私はWISに10振ってあとはINTに振ってるわ。」 とクリスは、自分のステ振り状態を話した。 「でもね。私全WIS魔になるの(^^」 と言うレインは、どこか楽しそうだ。 「私はこれからINT魔かな。INTに振っていくから。」 と言うクリスは、どこかちゃっかりと計算しているようだった。 2人のこの決断は、後になってそれぞれにとっての結果を残すこととなる。 再び森の中へと入った2人は、ディドを魔法で倒していた。 クリスの魔法は、INTを降ってる影響かダメージが強かった。 「クリス、すっごーい!!」 とレインは感心していたが、クリスは、少々キツいものを感じていた。 その後もクリスに対抗してくるモンスターは、増えた。 (くっ、何で?!)内心慌てるクリス。 しかし、ハタ目には慌てた様子もなく 冷静にディドを倒しているように見えた。 (このままだと、MPが一気に消耗してしまう。) 自分のMPが危険だと悟ったクリスは、『マナリクシャ』を1個使った。 そして、残りのモンスターを掃討しにかかる。 ところが、魔法で倒しきれなかったらしく1匹だけが生き残っていた。 (オーブで攻撃しようにも打撃力ないし) と困惑するクリスの前に歩み寄ってくるディド。 (仕方ない、また使うか。)とマナリクシャを出そうとした時。 風の魔法がクリスに近寄るディドのタゲを外した。 そして、再び風の魔法がディドに当たり、ディドは倒れて動かなくなる。 (助かったぁ…。)と安堵していると 「大丈夫?」と向こう側からレインが走ってやってくる。 「なんか…レインに助けられちゃったね(^^」 でも、本当に助かったわ。と言うクリスを見て 「どうして私がWIS魔になったか分かる?(^^」 とレインが訊いた。 「分からないわ。どうして?(・・?」 と訊き返すクリスに 「クリスのコト、助けたかったからだよ。 クリス、いっつも無茶しやすいから。だから、私。 その度に『ほんのちょっとでもいいからクリスを助けるお手伝い』 やってみたかったんだ(^^」 とレインは、にっこりと笑顔で答えた。 (私のコト・・・心配してたんだ。) いつも、自分が基本で…自分が中心で。 そんな考え方しか出来なかったクリスは、いつの間にか泣いていた。 「え?なに、どうしたの?!」とおろおろ慌てるレインに 「ゴメン。なんでもないの。」とクリスは顔を拭った。 そして、レインの顔を見て 「レイン。今までは、ソロキツかったでしょ?今から私と組まない?」 と話を持ちかけた。 「…うん!(^^」とレインは、笑顔で頷いた。 「私は、INT魔。そしてレインはWIS魔。私は、無茶やっちゃうことが あるかもしれない。でも、もしそうなったら。その時はレイン。 あなたに判断を任せるわ。でも、あなたが無茶したら、場合によっては 手を貸すわ。」 とクリスは、笑顔でそう言った。 今までの表面的な関係よりも以前より強い仲間関係が出来たような そんな空気をレインは、感じていた。 それから2人は、PTとして組んで狩る機会が増えた。 この時まだLvは15。 2人は少しずつLvを上げつつあった。