第4話 『戦士・盗賊』


ルアス王宮庭園内…。

その中に4つの光がバラバラに降り立った。

光が収まると、そこには4人の人が立っていた。

エララ・マイスター・アシッド・カイムの4人だ。

人の多い王宮庭園の中。4人は顔を見合わせた。

「あらまぁ。アシッドさんとカイムさんも同じ町ですわね(^^」

エララは、笑顔でにこりと微笑む。

「でも、何故?」というカイムにアシッドも頷いている。

…とその時。

「ルアスは、戦士と盗賊の町です。」と声がした。

「なるほど、システムの仕様ですな(・・」

エララ・カイム・アシッドの3人が思ったであろうことをマイスターが呟いた。

「何だかなぁ(^^;」カイムが苦笑する。

「この世界。ちょっと変わっているのかもしれないな(^^;」

今度は、アシッドが苦笑した。

「でも、顔見知りがいると安心するのですよね(^^」

ああ、良かったwって顔してエララが笑う。

「確かにな。顔見知りと会うとホッとするし(^^」

と言うのは、マイスター。

「それはいえてる(^^」とカイムも笑顔になった。


…とふいにすごい風を感じて4人は、驚いた。

「甘っちょろい奴らだな、お前ら。そうやってつるんでられんのは、

今のうちだけだぜ。まぁ、せいぜい頑張りな。」

と4人に忠告するように言った盗賊は、再びものすごい速さで走り出した。

「あの方、盗賊さんかもですね(・・?」

エララは、ぽやっとした様子で言った。


「忠告か?(・・?」

アシッドが不思議そうに盗賊の去って行く姿を見ていた。

「まぁ。今はまだ、バラバラになるべきではないかもね。」

冷静な表情でマイスターがそう呟いた。

「ですね。今はまだこの町のことも何一つ分かっていないのですから。」

と冷静な表情で言うエララだったが…。

「まずは、情報収集ですわね(^^」

と次の瞬間には、ほえほえ〜とした笑顔でそう言った。

(タダ者ではない…か。)

エララのほえほえ〜とした顔を見て、3人はそう思った。


数時間後…。

王宮庭園内に居る人に話しかけて、いろいろなコトを教えてもらった4人は、

早速報告し合った。

その内容は、いたって簡単なモノで・・・。

初心者用のクエストをしている『ピンキオ』という鳥が門前大路を抜けた先に居るコト。

この世界のお金の単位は『グロッド』で通常は『G』で省略しているコト

同じ『G』という意味で『ゲート』と呼ばれるアイテムがあるコト。

洋服や武器は、武器屋に…ゲートは、薬屋に…靴などは、雑貨屋に売ってるコト。

『WIS』と言う機能があること。

他の人と組んで狩りに出かけたり、それを解除する機能があること。

『クエスト』は、いろんな町にあること。

などなどだった。


「ともかく今は、ピンキオのクエストに行ってみたらどうだろうか?」

提案したのは、マイスター。

「だな。」アシッドとカイムが頷く。

「そうですね。では、行ってみましょう(^^」

とエララは、笑顔で歩き出した。

他の3人も同じ早さで歩き出す。


さらに数時間後…。

4人は、11服の格好で狩りをしていた。

使われている武器は、武器屋で買ったダガーと銅剣。

今のLvは、13くらい。

ラッキーなのか、カイムとアシッドだけはLv14まで上がった。

「すごい…ですねぇ(^^;」

エララは、銅剣の切っ先を地面に向けながら、苦笑するように言った。

「運が良かっただけです。(^^」と笑顔で答えるカイム。

「その通りだ。」とアシッドも頷いた。

「しかし、沸かないなぁ(・・」と言うのは、マイスター。


それもそのはず。

エララ・カイム・マイスター・アシッドの周りには、

…倒されたと思われるモンスターの死骸が20匹くらい…4人の周りに転がっている。

「場所を変えます?(・・?」

何気なくそう訊いたエララに

「いや、変えない方がいいかもしれん。」

と少し向こうを眺めながら、アシッドが呟いた。

「え?」とカイム・マイスター・エララは、アシッドの見ている方を見た。

そこに居たのは、自分たちと同じLvくらいだろうと思える冒険者が2人。

しかも、その2人。かなりピンチな状況に立たされていた。


「アレどうする?」と前方の冒険者2人の状況を見て、カイムが質問した

…が、エララとマイスターの姿は、こつ然と消えている。

「あれ?(・・」と不思議そうな顔をしているカイムに

その場にいたアシッドが無言で『あっち』と指差した。

「え?(・・」とカイムは指差された方向を見ると

エララは陽気に…マイスターは真剣に、

冒険者2人組みをタゲにしているディストを血祭りに上げている。

「面白そうだなぁ(^^僕も混ざりに行ってこよう♪」

カイムは、楽しそうな顔でダガーを持つとそのまま走り出した。

そして、エララとマイスターのいる近くまで行くと

「僕も参戦させてもらうよ(^^」と笑顔で言い出した。

「OK!」
「それは歓迎ですわね(^^」

エララとマイスターの2人は、笑った。


その30分後…。

「終わったね(^^」と言ったのは、カイム。

「そうねぇ(^^」と笑顔で言うのは、エララ。

「おっつー。」と少し肩で息をしているのは、マイスター。

「あ…。えと。」と困惑する冒険者2人に

「大丈夫?」と3人がハモった。

「あなたたちのおかげで助かりました(^^」と言うのは、一人の戦士。

「本当にありがとうございます(^^」と言ったのは,聖職者。

そして、戦士と聖職者の2人連れPTは、町へ戻って行った。


「全く。お前ら、何でそう突っ込んでいくんだ??」

呆れ顔で…しかし、笑ってるような感じでアシッドが訊いた。

「だって、見過ごせないから」とマイスター。

「一日一善と言うではないですか(^^」とエララ。

「楽しそうだったから♪(^^」とカイム。

みんなそれぞれ考え方は、違うようだったが…。

「全く。ま、そこがお前らのいいトコだな(^^」

とアシッドは、笑い出した。

カイムとエララとマイスターの3人は、顔を見合わせて…笑った。

まだまだ先は分からないものの、それでもこいつらといたら楽しいかもしれない。

何となくそう思うアシッドだった。