第30話『全てはここから…』


その後。祐二と美奈子の2人は、病室をこっそりと出ていった。

そして、今までのコトを知るためにニュース番組を見ていた。

それから5分後。2人で病院の中を歩き回った。

しかし、どこに誰がいるのか分からない。

ましてや残りの彼らの現実での名前も知らない。

「困った。お手上げだ(x_x;」

と祐二は近くに置いてあった椅子に座った。

「だねぇ。あ、そだ。これからは『アスの名前』で呼び合おう。」

と美奈子が言い出した。

「あ。そっか、あっちで会ってる時の名前なら、仲間であれば分かる!」

「ご名答w(^^」と笑うリーノアに

「くすくすっw」と笑う声がした


祐二と美奈子が笑い声の主を振り返る。

そこに居たのは、2人よりも幼い女の子。

「おにいちゃんとおねえちゃんも『アス』やってるのぉ(^^」

と笑顔で質問されて、頷く2人。

「わたしもねぇ、やってるよ。『カイム』って名前で(^^」

と言われた途端に2人は、驚いた。

「あっちでは、『ぼく』だったけれど、こっちでは『わ・た・し』(^^」

と笑顔で言う『カイム』のリアル。


後で分かったのだが、この女の子の名前は『吉沢結城(よしざわ ゆうき)』

祐二と同じ小学校の3年生で『漢字検定2級』の取得者だった。


その後もアシッド・クリス・エララ・マイスター・ルーク・レイン・コウリア

それぞれのリアルと遭遇した。

「しっかし、3回目に会ったのが病院だとはなぁ。(−−;」

と一息つくのは、アシッドのリアルの『神谷礼二(かみや れいじ)』。

「世の中なんて、広いようで狭いよ。」
「うんうん。」

前者の意見は、クリスこと『桐谷美香(きりや みか)』。

頷いたのは、レインこと『秋山 香(あきやま かおり)』。

「でも、意外な感じですわ。こうしてアス仲間と会うなんて(^^」

とにこやかに笑うは、エララこと『狭山未央(さやま みお)』。

「でも、オレら『意識不明者』だとさ。」

と落胆するのは、ルークこと『相田(あいだ)ルカ』。

「ま、これで全員の意識が戻ったし『めでたい』ね。」

と笑うは、マイスターこと『小暮亮(こぐれ りょう)』。

「でも、みんなで一緒にって楽しかったですね(^^」

と言うのはコウリアこと『佐伯(さえき)あかり』。

コウリアの一言でみんなは、アスでの出来事を思い出していた。

「またいつかさ。みんなのLvがほぼ同じ位とかになったら、

その時は集団PTでも作って狩りに行こう。

きっと楽しくなるぞぉ!!(^^」

と言うアッシュにみんなが頷いていた。


まだ終わりじゃない…今はまだ、その時ではないけれど

でも、今はみんなに会えたことが一番嬉しいんだ。

ビックリもしたし、驚いたりもした。

けど、それで仲間同士の関係が壊れたわけじゃない。

今はこの『現実世界で出会った狩り仲間達との会話』を楽しもう。

そう…全てはここから再び始まるんだ。

今居る仲間達を捨てるのではなく、今の仲間達と一緒に強くなっていくんだ。

アスでもそして、この世界でも。