第21話『発端』


「そう、僕達はまだ『子供』だから、その役目からは解放されている。

けど、いづれは僕達もその役目を果たさなければならない。

そうなる前にみんなに会いたかったんだけれど…。」

今まで黙っていたリグレスが話し出した。


「僕達は互いに連絡しあって、会おうってことになった。

けど、待ち合わせをしていた異空間にみんなが集まった途端。

…雷が鳴ってね、最初はみんなで一緒に逃げた。

ところが、四方八方から雷が落ちてきて

雷に当たった人が…次々と消えたんだ。

パニック状態のまま、逃げながらその様子を見たよ。

ところが僕にも雷が落ちてね。

しばらく意識を失ってて、気が付いたらイカルスで目が覚めた。」

というリグレスの顔は、真剣だった。


「おそらく、みんなが集まると危険だからじゃないか??」

とアッシュがみんなを見て言った。

「相克関係ね。」とクリスがなるほど。と頷いた。

「そう・・・なに?わからない(><。。」

とマイスターが困惑している。


「相克(そうこく)関係。つまり、対立しちゃうのさ。

『木』のアーリアは『火』のリンファと隣り合わせだと

『火』の方が強いでしょ?

『水』のミーヤがリンファと隣り合わせでも同じこと。

お互いに『威力を打ち消し』あっちゃうんだよ(^^;」

とカイムに言われてやっと納得するマイスター。

「力を出さなければ、問題ないのにね。」と静かに言うエリア。

一見すればただの幼い子供で、何の変哲もなさそうに見える7人。

しかし…このあと『とんでもないことを言い出す者』が出るとは

まだ誰も気が付かなかった。