第20話『7人の子供たち』


「ともかく、あとはこの7人の子供達の家を探さないとだね(^^」

と笑顔で言うカイムの一言でその場にいた9人が凍りつく。


緊急会議(つか、10人で円陣を組んで相談してるだけ)開始。

「てっきり忘れてた。そうだよ、この子供達を親元に返さないと。

…でもさぁ、ここ、警察も自警団もないんだよなぁ?」

半ば、落胆気味な様子でルークが呟く。

「その通り。アスに自警団は、ないな。」

あっても騎士団だが、奴らが何かやると思うか?と言うのは、アシッド。

「理論的にムリね(−−;」とクリスも左手で顔を半分覆って落胆する。

「せめて、帰り道を知ってる子がいればねぇ(^^;」

と苦笑するのは、リーノア。

「でも、まだ訊いてないから訊いてみてはどうでしょう?(・・?」

というのはコウリアだった。

「だよな。何事も質問してみないと、分からんもんな(・・」

とコウリアの意見に頷いたのは、アッシュだった。

会議終了後。それを質問するのは、アッシュということになった。


「なぁ、アーシア。」

目の前のアーシアと目線の高さをあわせるアッシュ。

「なあに?アッシュおにいちゃん(・・?」きょとんとするアーシア。

「みんな、自分のお家とかがどこにあるか知ってるのか?(・・?」

と質問したアッシュに

「うん、しってるよぉ。」とあっさりと答えたアーシア。

「みんな、どこに住んでるんだ?(・・?」となおも訊くアッシュに

「アスの世界の中。姿を消して、全ての場所に存在しているの(^^」

と言うアーシアにアッシュは訳が分からない。

「???(・・?」

と困惑顔のアッシュにアーシアもどう説明すればいいのか、分からない。


と、その時だ。

「アーシア。それじゃ分からないよ(^^;」

そう言って2人の側にやってきたのは、エリアだった。


アッシュとアーシア。

その左横にエリア

アッシュの後ろの方に9人のアッシュの仲間。

アーシアの後方に残りの6人の子供達。

そんな感じの状況の中、エリアは言った。


「私達は7人いて、『一つの共通項を持つ存在。』

そして、『時間と空間を操作している』んだ。」と

「なおさら分からないよ(^^;」と言われて

エリアは「私達は、それぞれが『自然のもの』を操作している。

月日という時間もそう。自然の中にあるもの…土とかね。

みんなバラバラなものを操作している。

君達の言葉で言うなら、『妖精』や『精霊』みたいなもんさ。」

と微妙な説明をしてきた。

「どういうことだ?(・・?」とアシッドが訊いた。

「みんな『自然に存在している妖精や精霊』なのさ。

まぁ、自然と呼ばれているものの一部は、『属性』の元にもなってるね。」

と言うエリア。

「誰か説明してくれ。(−−;」とあきれ返るアッシュに


「えっとね。オレは『太陽』の子供なんだ(^^」

と陽気に話すのは、『グレゴリ』。

(はぁ?!)とアッシュの背後の一同が驚いた。

「エリアは、『月』の子供ー。リンファが『火』の子供。

アーリアは、『土』の子供でぇ、アーシアは『木』の子供。

ミーヤは『水』。んで、リグレスは、『金』の子供。」

とグレゴリは、にこにこ笑って解説した。


「月・火・水・木・金・土・日。1週間だ!(>w<」

と笑うマイスターに

「ピンポン、ピンポーン♪そこのお兄ちゃん、ノリが良くて感謝だ!(>w<」

とグレゴリは『大正解!』のクス玉でも出しかねないテンションだった。


「どおりでお前がいた『ルケエリア』は、雨が降らなかったんだな。」

グレゴリをわずかに見るなり、ボソッと呟くアシッド。

「『太陽』が雨を降らしてどうするよ?そこのお兄ちゃん(^^;」

と言うグレゴリに全くだな。とアシッドが苦笑する。


「ごめんね、みんな。」

ふいにエリアがアッシュたちの方を向いて、呟いた。

「今まで他の雨が降っていた町…。あれは、バラバラになってしまって

寂しくなった『みんなの気持ち』が雨になって降っていたんだ(^^;」

と苦笑気味に言うエリア。

「あー、だからなかなか止まなかったんだ。」

なーるほどっ。って感じでレインが頷く。

「私とグレゴリは、それぞれが『月』と『太陽』だから。

みんながいつもと変わらないように、普通に過ごせる時間を作るのが

お互いの役目なんだ。(^^」

と言うエリアは、どこか寂しそうだった。

「他のみんなはそれぞれの場所から、それぞれの力をコントロールして

アスの世界を支えているの。」と言うアーシア。

「でも、みんなまだ子供だから、役目にはまだほど遠いんだ。(・・」

とグレゴリが言った。

「そう、僕達はまだ『子供』だから、その役目からは解放されている。

けど、いづれは僕達もその役目を果たさなければならない。

そうなる前にみんなに会いたかったんだけれど…。」

今まで黙っていたリグレスが話し出した。