第19話『魔女の町』


カレワラ町…。

大きな鍋のようなものの中には、

怪しい緑色の液体が調合されて煮立っている。

そして、その前には『マウストイ』という

『ネジ付きネズミ』が銀行家として、座っている。

そんな中…ルーク・アッシュ・アーシアの3人が光と共に現れた。


「寒いっ!!」誰からともなくそんな声が出た。

そう…カレワラは、雪の残る町。

それゆえに風が吹きぬけようものなら、もの凄く寒かった。

「アッシュ!寒いとか言うな!!余計に体が冷える!!(><」

とルークが怒鳴る。

「だってよぉ、寒いって!体に凍てつくような感覚がくるんだって!!」

とアッシュも言い返す。


カレワラの空は、暗黒そのものだった。

いつ雨が降ってきても、おかしくはない。

アーシアは、アッシュとルークの機嫌が悪いのを感じていた。

(早くここから出ないと、2人が寒さで今よりも険悪になる)

ということだけは、気が付いた。


ふいにアーシアの足が止まった。

アーシアが来ないことに気が付いて、振り向いたアッシュとルーク。

アーシアは、両手を組んで祈っていた。

いや…そう見えたのは、きっと彼らを含む、近くを通った人だけだろう。

アーシアは、祈りながら探していた。

矛盾しているようだが、それが近い言葉かもしれなかった。


そして、数分後。

裸足でアーシアの側に歩いてくる子供が一人。

「アーシア」と呼ばれてアーシアは目を開けた。

そこに居たのは、一人の『子供』。


「エリア…。やっぱりカレワラにいたのね。」

エリアと呼ばれた子供は、アーシアの言葉に頷いた。

「みんなとバラバラになった時に、ここに着いた。

けど、ここは何となく…私の心の中と同じ空気がしたから。」


『私』と言ってる感じからして、女の子のように感じる。

けど、エリアは幼いながらもどこか中性的な雰囲気があった。


「私を…迎えにきてくれたんだね。…ちょうどみんなに会いたいと思ってた。」

エリアは、何かを考えているような様子でそう言い出した。

その顔に笑顔は、なかった。


「エリア…だっけ?みんなとまた一緒に話す為にもオレ達と一緒に行こう(^^」

とアッシュは、エリアの頭を優しくなでる。

(この人は、どうやら性格があけっぴろげなようだ。

…アーシアが助けを求めて安心したのも頷ける気がする。)

アッシュに頭をなでられながら、エリアはアッシュの性格を読んでいた。

しかし、それに気が付いていないアッシュは、

「んじゃ、行くかぁ(^^」と陽気な笑顔で笑っていた。


ミルレス町…。

ザーーーーーー!!!と大雨の中

町広場の中、4つの光がバラバラに降り立った。

アッシュ・ルーク・エリア・アーシアの4人だった。

「まったくもう!遅いじゃないの(・・#」ふいに後ろからリーノアの声がした。

「え?」とアッシュとルークが後ろを振り向くと

そこには5人の幼い子供達と

リーノアを入れた8人が雨で『濡れネズミ』状態だった。


「ゴメン!!(>人<」とアッシュは、顔の前で手を合わせてみんなに謝っていた

「ともかく、これで7人全員集まったのね。」

と雨に濡れながらもクリスが冷静な口調で言った。

「で、これでどう雨が止むんだ?」とアシッドがツッコミを入れた。


すると、幼い子供達が手をつないで何かを呟いた。

そのすぐ後に雨足は、急速にゆるくなっていく。

数分後。

外は、いつものように晴れていた。

「これで雨の降っていた町は、何事もないでしょう。」と言うアーリアに

(そうなんだ。)くらいにしか思わずに一同はとりあえず納得した。


「しかし、さっきルケで会ったコイツ。本当に泣かないのかな?(・・」

何となくそう呟いたマイスター。

ちょうど目の前にいた『グレゴリ』の顔を見るなり

「本当に泣かないのかぁ?w」と言うと、グレゴリのほっぺを掴んで横に引いた。

「ひへーーー!はへはひゃふぇへへ。(訳:ひえー、誰か助けて。)」

とは言うものの、グレゴリが泣いてる様子はナイ。

「ふぬ。どうやらホントにあまり泣かないらしい+(・・」

とグレゴリのほっぺから手を放すと、むぅ。とか言ってるマイスター。

「あぅ、ちっちゃい子なんですから、手荒なコトしちゃだめですわよ(^^;」

とエララにダメ出しされて

「いぢめてないもん(・・;」と否定するマイスター。


「ともかく、あとはこの7人の子供達の家を探さないとだね(^^」

と言うカイムにみんなして「あっ!煤i・・;」と言いそうな顔になる。

「忘れてた。どうすりゃいいんだ(^^;」とリーノアがツッコミを入れた。

そう…まだ子供達の家を探すという問題が残されていたのだった。

はたしてどうするこの10人。

はたしてどうなる7人の子供達。

そんな2つのナゾを残したまま、とりあえず話は、続く。