第22話『提案と願いと』


「そうだ。いいコト思いついた!(^^」とグレゴリが笑って

「皆さん、何か願いをかなえますよ。オレで1つ、エリアで1つ。

ちょっとしたものであれば、叶えます(^^」

と突然言い出した。


その直後に悩む9人。ところが一人だけ悩まないのが居た。

意外なことにそれは、コウリアだった。

「グレゴリ…さん。(・・;」

「あい?なんですか?(・w・?」と陽気に笑顔なグレゴリに

「えと…遠慮しておきます。(^^;」と言いづらそうなコウリア。

「何を言おうとしたの?(・・?」と質問したリーノアに

「グレゴリさんの能力で『時間旅行』が出来たらいいなぁって…。

『アスガルド』って出来てまだ、5年経ってるか経ってないかでしょ?

だから、過去はどんな感じだったのかなぁって、思ったんです(^^;」

ダメ…でしょうか?とコウリアがみんなを見る。


「面白そうね(^^」と笑顔で賛成したのは、クリスだった。

「アスガルドのコト、知りたいね(^^」とルークも興味あり気な顔だ。

「昔のアスかぁ。狩りとかやってみてーなぁ!(>w<」

アッシュはどこか嬉しそうだ。

「今とどう違うのか見てみたいね(^^」

カイムも笑顔で気になっている様子だ。

「しかし、何か引っかかるな…。」

一人、何かの違和感に気が付いたアシッド。

そして、この違和感は、後に的中することとなる…。

「じゃあ、みんな。手をつないで(^^」と笑顔でグレゴリに言われて

17人で手をつなぐ。

「みんな、しっかり手をつないでね。(^^」

と言った後に、グレゴリは呪文を唱えはじめた。

「『永き時空(とき)の流れにその身を流さん。

グレゴリの名の下に今、汝らを迎え入れん!!』」

と唱え終わると、17人は、太陽から放たれた光の中…静かに消えていった。


2002年4月8日…ルケシオン町。


17人は、ルケシオンの砂浜で倒れていた。

じりじりと太陽が照る中、誰からともなく起き上がった。

「あっつー!って、ぉ?ここはルケっぽいな。(・・?」

マイスターが周りを見渡して呟く。

「その通り、ここはルケシオン。その証拠にアレ。(^^」

とグレゴリが指差した先…つまりマイスターの背後には

「ラララ!ラララ!ラララ!」

と陽気なルケ銀行員の『アミゴ』がいた。


「どわぁー!ヘンなの出たぁーーー!!煤i ̄□ ̄;」

とマイスターがアミゴのアップに驚いて、ずざざざっ!と後ずさりする。

「この兄ちゃん、やっぱおもろいw(^^」とグレゴリが笑う。

先ほどほっぺを横に引っ張られた『仕返しショー』だろうか?

否。もし違うとしてもそれくらいの影響力は、あっただろう。


ところが彼らは、…いや、10人はまだ気が付いていなかった。

この『時間旅行』がとても危険であることに…。

そして、『10人が時間の壁』を越えてしまったのと同様に

『その副作用がどんなものであるのか?』ということすら知らずに

時間を飛び越えてしまった彼ら。


そして、その頃。現実世界では、とんでもないことが起こっていた。