『ラファンの日記〜安堵の時〜』


課金計画がおじゃんになって数日後。

それぞれの町から不安な声が消えて、アスガルドはいつもの日常に戻った。


『…かと思いきや、そうもいかなかったようです。

課金の話が立ち消えになって、私の兄弟も安心していたのですが…。

この間、イリュームが怒っていました。一体何があったんでしょう?(・・?』


時は遡って、この間…。

「よぉ(・・ノ”」と知り合いを見つけると、片手を上げて挨拶するイリューム。

そのイリュームの顔がひくっ。と引きつつった。


ナイトモスエリアの空気は、何気なーく、怪しい空気がそこにあったから。

そして、その怪しい空気の原因とも言える2人組がそこにいた。


目の前で顔見知りの修道士が

同じく顔見知りの女性に口説き文句を言っている。

言われている張本人の女性は、いかにも嫌そうな顔だった。


(お仕置きですな+(−−))

と思い、修道士に近づいてケリ技を使うイリューム。

しかし、殺気に気が付いた攻撃対象は、キックをスッと避けると

イクシオの方を向いてニヤリ+(・∀・)と笑った。

そして、奴と同様にニヤリ+(・∀・)と笑う盗賊。


(何か、ヤな予感がっ!!煤i゜A゜;))と状況で悟ったイリューム。

次の瞬間には…。

「イリューム、愛してるよぉw(^ワ^」

とニッコリ笑顔でイリュームに駆け寄ってくる修道士。

「つか、近寄るなぁ!(>□<;」と最初は、逃げたイリューム。

ところが何を考えたのか、急にピタッと止まった。


だが、イリュームを追いかけていた側の修道士は、止まらない。

そのままイリュームの方へと走って近づいてくる。

イリュームは、自分の方へと走ってくる修道士を見据えた。

あともう少しで修道士が迫ってくる…その刹那。


「ふざけんなゴルァ!#゜A)⊃#)゜◇゜)∵ベシッ!」

とイリュームは、殴り系スキルで修道士を殴った。

「痛いよぉ!(;;」と言う修道士にますます腹が立ったのか

「うるさい!大体、甘えてくる方がヘンなんだ!!(▽□▽#」


『理由を聞くと、どうやら相手がフザケ半分でおちゃらけていたようです。

しかし、イリュームはそういうノリがあんまり好きじゃないだけに

からかわれると逆に怒ると言うことを知らなかったのが

相手側が殴られた原因かもしれません。(^^:』


それから数日ほどが過ぎた頃。

『x月xx日。

今日は、ちょっと驚きました。何でか知りませんが…

『いつの間にそうなってたの?』と思うような感じの一日でした。』


実際にこの時の私は、耳を疑うようなコト言われました。

きっかけは…ささいなコトなのですが…。


この日。私は、ミルレス〜ルアス4にいて、いつものように回復聖をしていた。

その時に、戦士に「付き合ってくれ」と言われたのだった。

「え?(・・?」とラファンは、キョトンとした。

(どっちの意味だろう・・・?(・・?))と判断しかねていた。


ちょうどその時だろうか?

ラファンの隣にいた修道士が「ダメダメダメー!!(><」と言い出した。

ラファンは、きょとん(・・?とした顔で

戦士は「?」といった雰囲気で

それぞれの視線が修道士に向いた。


「ラファンさんはオレと付き合ってるの!(><」と言い出した修道士に

戦士は、相変わらず不思議そうな顔で。

当のラファンは、やっぱりきょとん(・・?とした顔でいた。


(私、付き合うなんて、言ったっけ?(・・?))

そんなこと、ひとっことも言った覚えないのですがねー。とは思いつつも、

それに近いようなコト言ったかなー?と今までの記憶を何となく思い出すラファン。

しかし、ラファンの記憶の中にもそれっぽい記憶が見当たらない。


(やっぱり、私は何も言ってないような気が…。)と思うラファン。

戦士は、呆れたような様子で去っていった。

さっきから静まりかえったミルレス〜ルアス4のエリア。

無反応なラファンに対して、修道士は

「オレとラファンさん、付き合ってるんですよね?」と質問してきた。


『私は、この質問について答えられませんでした。

「付き合ってるんですよね?」と訊かれても私の意識の中では、

そうだとは思ってなかったんですから。

何か言うことがあったとしても「いつから?」としか訊けないです。

けど、「いつから?」と訊くのは、何だか相手の意識を狂わせるだけだと思い、

何も言えませんでした。

肯定することも、否定することも出来ない時も場合によって、あるのですね。』


その後、安穏な時間はしばらくの間、流れていった…。

穏やかな日常と共に…。