『ラファンの日記〜変化したこと〜』 『それからだった。 その聖職者は、次の日もやってきた。 何でだろう? 正直、分からない。何故、ミルレス〜ルアス4に彼は来るのか?』 そして、今日も彼はやってきた。 案の定。ラファンの目が届いて、回復も可能な範囲でナイトモスを狩っている。 (やっぱりこの人、計算してる。 自分のLvじゃここは難しいことも多分よく分かっているんだ。 だから私を利用して、経験値を稼ごうとしている…。 ピンキオのクエストの基準で自分のLvよりかなり高い『この場所』で!) 昨日、ここにやって来た時の聖職者の行動から 何となくそれだけは気が付いていた。 結局この日もナイトモスを狩って、聖職者は、帰っていった。 それから更に次の日。 同じようにやって来た聖職者。 いつものようにナイトモスを狩り、夕暮れ時になった頃…。 ラファンの近くで狩りをしていた聖職者がラファンの方へやってきた。 (また来ますって言うのかな?(・・?))と思っていたラファン。 ところが…開口一番に出た言葉は…。 「あの。良かったら、師匠になってください!」 『へ?!とか驚きました。 正気で言ってるにしても、話が出来すぎです。 最初はからかわれているか、冗談で言ってるかのどっちかだと思いました。 けど、現実でした。(TT)これはまぎれもない現実でした。』 「私は、他のお師匠やってる人みたく自信はないので、辞退いたします(^^;」 今考えてみれば、これが一番。自分の意見を反映した答えだったかもしれない。 しかしっ! 「僕は、あなたを見た時から師匠に決めていました。」と言い出す聖職者。 あまりにもキッパリ言われて困ったラファン。 『でも、結局。私は、この『Lv1服の聖職者』を弟子にすることにしました。 しかし、3つの条件付きです。 1.正式な制度には入れずに、カタチだけの弟子。 2.ノルマを課さずに自分のやる気でLvを上げていくこと。 3.なるべく弟子の補佐を出来る限りでやっていくこと。 3は、私自身に課した課題でした。弟子を持つからには無責任なんかじゃ やってられません。』 この条件を全て理解した上で、彼は私の弟子になることが決まりました。 でも、これは全て『私なりの弟子に対する姿勢』を表したようなものでした。 ものごとの計算が得意な方ならきっと、私のこの方法がいかに打算的で そして、大損しているかがよく分かると思います。 『1.を実際に実行することは、師匠の私に名声が入らないことを意味しているし、 2.においては、弟子がのんびり屋だとLvがあまり上がらないという危険もある。 3.にいたっては、ヘタをすると『甘やかし』と思う人もいるかもしれない。 正直わずかに危険な賭けでした。 でも、弟子に恵まれたおかげでこの『徒労に終わるような考え』は消えました。』 それからの私は、弟子と共に私もまた強くなろうと思いました。 弟子とLv差が2か3くらいになった時に、その気持ちはますます強くなり ほとんど「負けるもんか!」とLv差で弟子に追いつかれまいと努力していました。 『▽月□日。 ちょうどそれからいくらか日が過ぎた頃でした。 私はそれから先、更に2人の師匠になることとなりました。 これで弟子が3人になり、私も少しずつ忙しくなってきました。 この頃の成果のおかげで相変わらず一番弟子とLvの僅差をめぐって 勝負していたおかげで私もやっと50ヘルになりました』 「50ヘルかぁ…。w;」喜んだのも束の間。 ラファンはこれから先の経験値上げがどれだけ苦しいかを考えて、 そして、悩んでいた。 「お師匠、おめでとう(^^」と言う弟子に対して 「ありがとう。でも、ヘルだよ?超えるには1%で5万の経験値が…。w;」 とグチを言ってしまうラファン。 「大丈夫です。狩りに行けば、上がりますって(^^」 「でも、狩りに一緒に行ってくれる人がいないとヤバイのーw;」 と言うラファン。 その思惑には、とんでもない現実があった。 なぜなら彼女は、プレイアを習得していなかったのだから…。 『昔からプレイアがあれば、おそらくソロでも可能だったと思います。 リベンジスピリットとリカバリ・ロックスキンで十分に狩りできますから。 でも、現在50の私はまだ未修得。ましてや、覚えたとしてもスキルLvが1な訳で …どう考えても、使い物にならないわけで…。 私は、前衛がいないと狩りが出来ない『バランス型のおちこぼれ聖』でした。』 50ヘル中にいろいろな人と組みました。 戦士・修道士・盗賊…。集団PTだったりと結構たくさんの人と組んでは 狩場で回復や蘇生の魔法を覚えていきました。 Lvが上がるまでは、何度も死んだり。 けど、死にそうになりながらも前衛の方を守ろうとしたり 結構真面目に経験値を稼ごうと努力をしました。 『みんなの努力の甲斐あって、私はようやく50ヘルを抜けることが出来ました。 でも、それからでした。それが始まりでした。』 50ヘルを越えたラファンは、ナイトモスエリアで再び回復聖に戻りました。 そして、弟子と一緒にそのエリアにやってきた人たちに補助や回復魔法をかけて 少なからず、応援していました。 『その時はまだ異変は起きていませんでした。 ただ、私の50ヘル越えが終わった頃。1番弟子の聖職者も50ヘルに向かって 出かけていくことが多くなりました。』 この時、世界は0.5から0.92へと変遷していた…。 その頃、町やナイトモスエリアでいろんな人たちに会うことが多くなりました。 この時、ラファンとよく話す魔術師さんが一人だけ居ました。 ラファンも少なからず、その人とのんびり話すのが好きでした。 ある日。いつものようにその魔術師さんと話していて、Lvを訊かれたラファンは 「Lv51です(^^」と笑顔で答えました。 「ラファンさん。もし、僕のLvがあなたと近くなったら その時は一緒に狩りへ行きましょう。」 と言われてラファンは 「はい(^^」と笑顔で頷いた。 『あれはもしかしたら、『遠まわしの告白』だったのかな?と今になって思います。 私自身、好きになりかけていたかもしれません。』 しかし、ある時から魔術師さんは私のところへ現れなくなりました…。 (一体、どうしたんだろう?(・・?)) 原因は分かりません。けど、私は彼を待ち続けました。 毎日夕方ごろにナイトモスで回復聖をしながら…。 それでも彼は…現れませんでした。 私は…落ち込んでいました。 その時、隣にいた一番弟子に悟られぬようにして…。 『世界が1.23になった頃になって、 あの魔術師さんが、かなり前にこの世界を引退していたことを知り 私は、ようやく彼が来なくなった訳を知ったような気がしました。 もうちょっと早く知りたかった。それが私の本音です。』 『魔術師の彼と会うことがなくなり、それでも元気を出そうとしている私。 さすがに原因が分からないまま、時は無常に過ぎていきました。』 そして、一番弟子が50ヘルになったのを知った私は 弟子に対して 「今までにも自由にやってきたとは思うけれど、これからはもっと自由に 自分なりに頑張って!」と励ましました。 『徒弟制度』から一番弟子を切り離そうと考えたのです。 それには一番弟子も承諾の上でした。 『私には2人の弟子が残りました。名目上の弟子です。でも、出来ることなら 協力しなければ。と思う気持ちを変えることなく、接していくつもりです』 私には、まだまだやらねばならないことがありました。 しかし、思いも寄らない形で出来事が起こりました。