『ラファンの日記〜Lv上げと焦燥と』 『Lv15の時のハプニングがきっかけで、私はもっと強くなりたいと思った。 けど、強くなるってどんなことなのか分からない。 ともかく今は思い通りにやってみることにしようかと思い、今日もLv上げに頑張っていた』 日夜、ナイトモスエリア(ミルレス〜ルアス4)で狩りに明け暮れる毎日。 だが、その努力の甲斐あってLv11から着ていた法衣は、 21服のそれに変わっていた。 しかし、それにおごることなく、ラファンの経験値稼ぎはナイトモスエリアで続いた。 (もっとLvを上げないと、もっと魔法を覚えないと。いろんな人の役に立つ為に!) ただ、その気持ちだけがいつも一人でいる自分を奮い立たせる為の呪文だった。 ただ、それだけが強くなるための目標だった。 『だが、そんな私にも…毎日を退屈だと思いながらも焦燥感と戦っている私にも ちょこっとだけその気分を忘れたコトがあった。』 今日も私はナイトモスのいる場所に立っていた。 そして、私と同じ場所にやってくる…私よりも低いLvの人達に回復魔法をかけ、 自らもナイトモスを狩った。 でも、それでも21服でこの場所に居るときの私には 人の名前を覚えるだけの精神的余裕も…。 ましてや、顔さえ覚えるだけの余裕すらもなかった。 ふと横を見ると、Lv1服の頃の自分と同様にウッドスタッフでナイトモスを叩く そんな聖職者が一人、一生懸命戦っていた。 (あ、助けなきゃ!煤i・・)) 自然とそう思うのと同時に、いつものように横で戦っている聖職者に向かって ロックスキンを唱えて、ヒールで補佐するラファン。 少ししてナイトモスが倒されたらしい。 ラファンは、ヒールで幼い聖職者の怪我を治した。 「ありがとうございます。」と頭を下げてきた聖職者。 ところが、ラファンは何も言わない。 ただ、ロックスキンが切れたであろうことに気が付いて ロックスキンを目の前の聖職者にかけただけ…。 それだけだったのに…。 この後。目の前の聖職者は、私の予想外の行動をとった。 (どうせ、この目の前の人も私なんかに関わるコトなく、行ってしまうだろう。 今までこのエリアを通り抜けてきた人たちがそうだったように…。) そう思って割り切っていた私の目の前や、 私の『回復魔法が使える範囲ぎりぎりの位置』にいるナイトモスを狩り始めた。 (何で?!どうして?!煤i・・;)) ラファンは、困惑していた。 回復をしてもらってる聖は、まるで私の性質を読んでるかのように 『ニヤリ風船』を出していた。 その後も30分くらい狩りをしていた目の前の聖職者。 しかし、その聖職者はラファンに向き直ると 「そろそろ帰りますね(^^」と言い出した。 けどそれにも関わらず、ラファンは喋らない。 言葉で気持ちを伝えるわけでもなく、ただ『祈り』の動作をとっただけ。 それを「お疲れ様。」の意味とでもとったのか 目の前の聖職者は、にこっと笑うと 「明日も同じくらいにまた来ますね(^^」と言い残して、来た道を戻っていった。 (うーん。私、気に入られた?(^^;)) と内心苦笑のラファンがナイトモスエリアに一人で突っ立っていた。