『ラファンの日記〜初心者の困惑〜』


『その後、私は町へと連れて行ってもらった。

しかし、そこは見たこともない町。

なれない町で、私の困惑はそれこそ大きく感じました。』


ミルレス町広場…。

その広場の中にラファンは、突っ立っていた。

目を開けて周りをきょろきょろ見回すラファン。

その直後に出た一言が…。

「ここ、どこ??(・・;」だった。


ラファンの記憶にあるのは、ルアスの町の記憶だけ。

ルアスから一歩も他の町へ出たことがないだけに、

その反応は、いたって自然だった。


(何がどうなってるの?と言うより、どこへどう行けばいいの??

何をすればいいの?それにルアスへ帰るには、どうすればいいのぉ?!煤i;;))

職業を決めたら家に帰れると思ってただけに、ラファンのショックは、大きかった。


(家に帰りたいよぅ(;;))と落ち込んでるラファン。

けど、家に帰るにしても服を着てないのはさすがに恥ずかしいし

なおかつ、お金もない。

(困った…。)と悩んでいると、ラファンの目線が一点に向かった。


「おいらはクエストの〜ピンキオ〜♪」と歌いながら左右に揺れてるピンキオ。

(あれ、何かしら?(・・?))

何となく思った疑問と共にラファンは、歩き出した。

やがてピンキオの側まで来ると

「黒い鳥さん。クエストって、何?(・・?」

と訊くラファン。


「ん?お嬢さん、この町は初めてみたいだね。

クエストっていうのは、問題解決みたいなもんだよ(^^

問題を解決すれば、それに見合ったお金やアイテムとかがもらえるんだ。

君もやってみるかい(・・?」

と疑問系で返されて

「うん、やりたい(^^」と言うと


「じゃあ、モス15匹かポン15匹、たおしてきてね。

たおしたら、また報告してくれればお金と経験値あげるから(^^」

と言うピンキオに頷いて、ラファンはクエストを請け負った。


…それはよかったのだが、ラファンはこの時。重要なミスをしていた。

そう…彼女はミルレスの町のどこに森があるのか、知らなかった。

そして、もっと最悪なことに薬屋・宿屋・武器屋の存在すらも

まだ知らなかった。


(とりあえず、森に行かないと…ってところかしら?(・・?))

と気持ちを切り替えて、ラファンは駆け出して行った。

ピンキオの向いている方向へと、カンで走り出す。

その先にあったのは、大きな門扉。

門扉を通り抜けてまっすぐな通路を走る。

するとすぐ先は行き止まり。

(道、間違えたのでしょうか?(・・;))と思っていると

行き止まりかと思われた地点には、なにやら不思議な模様が描かれていた。

(これ、何でしょう?(・・?))と模様の近くまでいくと、

模様の上に乗ってみた。

その刹那!ラファンの姿がフッ!とかき消えた。


ミルレス分岐点

(ここは…森の中?(・・?))

自分よりの身長よりもはるかに高い樹木がうっそうと生い茂る中。

ラファンは辺りを見回した。

そこにはモス・プロブ・ラフレがいた。


(確か、モスだったわよね。(・・))

クエストの内容を思い出して

ラファンはクロエ神官からもらったウッドスタッフを出した。

モスをたたいた。

怒ったモスがつついてくる。

ラファンも負けずに叩いているはずなのだが、ダメージは9。

だが、それにもめげずにラファンは、スタッフでモスを叩きつづけた。

モスを一匹倒すのに、4回か5回くらい叩いた気がする。

(簡単そうで、意外と大変だ。)そう思った。


それから30分後。

ラファンは、Lv3になった。

Lv1服も買って、スペルブックも買った。

『セルフヒール』・『ハボックストーン』・『セイントワーム』・『プレイドーン』・

『ホーリービジョン』・『キュアポイズン』の6つを買って、次々と覚えた。

(セルフヒールを覚えたから、これでちょっとは何とかなるかも。)

と推定した上で再び狩りをした。


ところがこの時まだ気が付いてなかった。

セイントワームとハボックストーンが『補助魔法』ではなく『攻撃魔法』だったのを…


それに気が付いたのは、Lv5の時だった。

Lv5になり、『マイナーヒール』を覚えて再び狩りをしに戻ったラファン。

そこで、他の…自分と同じLv1服の格好の聖職者が魔法を使っているところをみて

初めて気がついた。

「あ・・・あのっ!(・・;」と思わず声を掛けると

それに気が付いた女の子が

「なあに?(^^?」と訊いてくれた。

「その魔法…。攻撃できるんですか?(・・;」

「ええ、そうよ(^^)これ、内緒なんだけれど。

『セイントワーム』と『ハボックストーン』の2つは、元々『補助魔法』として

使う事になっていたの。だけど、いざ作ってみたはいいものの

『使い道』なかったんだってー。それで仕方なく、スペルの情報だけ書き換えて

説明書きは、そのまんまでってことになっちゃったのよ。」

と説明してくれた。

「そうだったんですか。しかし、詳しいですね(^^」と言うラファンに

「うん、いろいろ調べているから(^^」と言う女の子。


その一件以来、ラファンから少しだけ焦りが消えた。

家に帰りたい!と思っていた気持ちも少しだけ落ち着き、

今はLv上げすることに集中するようになった。


それからラファンのLvは少しずつ上がり、Lv11服を着れるようになった頃。

ラファンは、ミルレス分岐点で遊んでいた。


『△月△日。

ある時、ソロの戦士と女性の聖職者の2人を交えて3人でおしゃべりしていた時。

かなりワイワイと話で盛り上がっていると

ふいに私に混乱魔法がかかって、驚きました(^^;』


ラファンは途方もなく、行ったり来たりを繰り返していた。

一緒に話していた聖女さんが異変に気が付いて『プレイドーン』を唱えてくれた。

「ありがとうございます(^^;」とお礼を言うラファン。

「ここのラフレは、たまに混乱魔法使ってくるから、気をつけないとダメだよぉw」

と戦士の人のありがたい忠告に

「はい(^^;気を付けます。」とだけ言ったコトがあった。

0.5の頃、ラフレはランダムにタゲを決めるとたまーに混乱魔法を使ってきた。

運悪くそれにかかって、行ったり来たりするハメになる人が少なくなかった。


『○月△日。

Lvが15になった。そして、その時にルケシオンへと出かけた。

ルケシオンは、物価がものすごく高い町で私はなにも買えなかった。

この時、戦士とLv20の聖女さんと私の3人で狩りにも行った。

かなり楽しかった。』


3人でサラの森に向かい、キキを狩った。

その後にルケシオンへ聖女さんと一緒に向かったラファン。

けど、何も買えるものがなくて気分はしょんぼり(・・`

ラファンが落ち込んでいることが分かった聖女さんは

「大丈夫。Lvが上がれば、お金も入るから。そうなったら、買えるわよ(^^」

とはげましてくれた。


それは、うれしかったのだけれど…。

帰り方は…過激な方法だった。


「ミルレスゲート持ってる?(^^」

「いえ(^^;」と答えたラファンに

「じゃあ、死んで戻りましょう(^^」とニッコリ笑う聖女さん。

「…私はいいのですが、あなたは(^^;」

名声が減ってしまうのでは?(^^;と訊いた私に

「大丈夫。名声よりも何よりも、まずは戻ることが先決ですわ(^^」と

にっこりと言い切った。


確か、この後にいっしょにいた聖女さんは、サラ森方向へと向かい

そして、その森の近くの外で墓となって私の目の前に現れた。

(はわわ!煤i・・;))と慌てている私に

「じゃーねぇ♪」と陽気に言うと、墓は帰還で消えていきました。


一人ルケに残された私は…。

同じくサラ森に突入して、ジャイアントキキと遭遇。

無謀な戦いをして、神々のお慈悲の力でミルに戻ることに…。

まだまだ私は、弱いなぁ。と感じました。