『ラファンの日記』 アスガルドのとある民家でラファンは、日記を開いてペンにインクをつけると 文字を書き始めた。 『○月×日 今日は、ぼんやりしていようかと思ったけれど、それも退屈なので回復聖決行。 しかし、さすがにミルの町広場は広すぎて大変でした。(−−; 回復魔法使って、『ありがとう』と言われたりもしたけれど ビックリ風船出た時には、「え?何かとんでもないことしちゃった?!煤i・・;」 と思わず喋りそうに…(^^; 『NPCごっこ』やりながら、『回復聖』って実は結構、難しいかも(^^;』 とだけ書くと、ラファンはパタンと日記を閉じて手元の明かりの火を消すと ベットに入って眠り始めた。 ラファン。 クーリエの次に生まれた長女。 その性格は、分析魔なようで時折天然。 怒る(いや、キレるか?)と笑顔で言葉の圧力で威圧するが それ以外は、大体温厚…かな? というような二極性に近いものがあったりする。 今回の話は、彼女の日記の回想録…。 日記の時間を遡ると、彼女の日記は、世界がまだ0.5の頃から記載されていた。 『×月○日 ふと、目を開けるとそこには、スクール入学案内のお姉さん』が立っていました。 昨日までルアスのお父様とお母様の家にいたのに…。 何が何だか分からずに、私は困惑しました。 そして、やっと気が付きました。 ここが…幼い頃からずっと言われていた『最初の地』なのだと。 ここを通っていけば、いつかお父様とお母様の家に帰れる。 そう信じて私は、学校に入り、勉強しました。 早く家に帰りたかったからです。』 しかし、この時のラファンはまだ今ほど知恵や知識が無かったので、 まだ気が付いていませんでした。 職業によって行ける町が違うことも、すぐには家に帰れないことも 知らないまま…。 ただ、家に帰りたい一心でラファンは、勉強も頑張っていました。 やっと神官のいる場所まで来たラファン。 そして、職業を決定しなければいけないその時。 ラファンは、悩みました。 (戦士かぁ。お父様も戦士だったなぁー。(^^)) (盗賊って、何だろう?(・・?)) (魔法使いは、お兄ちゃんがなったのよね(・・)) いろいろ考えて「うーん(−−;」と悩んでいた時に ラファンの頭の中にお母さんと話した時のコトが頭の中に浮かんできた。 「お母様は、何で『せいしょくしゃ』になろうってきめたの?(・・?」 幼いラファンが母親に訊いた質問。 「それはね。パパを護るためよ(^^」と笑顔で言うマリーシャママ。 「でも、お母様。『せいしょくしゃ』って、『せんし』とかにまもられてるような そんなきがするんだけれど?(・・?」 と言うラファンに 「あなたはまだ幼いから、分からないでしょう。戦士や盗賊・魔術師が 攻撃することで自分や仲間を護るように、聖も『別な形』で護っているのよ(^^」 と優しく答える母親に 「ふーん。そうなんだぁ(^^」と笑顔で頷いた記憶。 (お母様が、お父様を『攻撃』とは『別な形』で護ってきたように 私も誰かを護れるようになるのかな?) ふっ…と頭によぎった、その疑問。 「職業は、決まりましたか?」と訊いてきたクロエ神官に向き直ると ラファンは、顔を上げて聖職者の職業を選んだ。 固い決意と共に…。