『予想外の…〜意外なアイデア〜』


少しして、ラファ姉がケーキを小皿に載せて持ってきた。

ソファーに座っているクロスティアに小皿を渡して

そして、オレにも小皿を渡してきた。

「え?」とラファ姉に振り返ると

「イリュームにも味見してほしいのよ。これからいろんなケーキをつくって

クリスマスまでにどれがおいしいかとか意見を聞かせてほしいの(^^」

と笑顔で言うラファ姉。

「おいしい・・・。」

とクロスティアは、すでに一口食べている。

オレは改めて小皿に載ってるケーキを見た。

クリームとかは特にないスポンジ風って感じのケーキだった。

「クリーム嫌いな人とかには、いいかなって思ったの(^^」

と言うラファンに納得して、オレはケーキを食べた。

見た目はスポンジだったけれど、味はかなりおいしい。

「ラファ姉。どうせだから、聖職者辞めて『ケーキ屋』にでもなれば?」

とクロスティアがつぶやいた。

「それは無理よぉ(^^;」と苦笑するラファ姉。無理もないことだ。

(ケーキ屋…そだ!)オレの頭にナイスアイデアが浮かんだ。

「ラファ姉。これからクリスマスまでに『料理教室』でも開いたら?

クリスマスにケーキとかあったら、珍しいし。アスの人たちって

珍しいモノとか好きそうだし。」

と言うオレに

「でも、場所がないでしょ(^^;」と苦笑するラファ姉。

「場所なら、オレが何とかするよ!だから、ラファ姉。やってみたら?」

と言うオレに

「…じゃあやってみようかな(^^」とラファンは笑顔で頷いた。


そうだ…なんて良いアイデアだったんだ。

よくよく考えてみれば、ラファ姉は、失恋してて落ち込んでる。

でも、オレ達に対しては、気を使わせないように明るく振舞ってる。

だったら、その気を他のコトに向ければいいじゃないか!

これがオレの作戦だった。

そして、これがラファ姉にとってのいい流れになるとは、

この時のオレにはまだ予想すらついてなかった。