『予想外の…〜クロスティア〜』


それから少しして、ラファンが台所から出てきた。

「おはよう。」とラファンに挨拶しているクロスティアは

いつの間にかさっきまでの真剣な表情から『寝ぼけた顔』になっていた。


「あら、おはよう(^^」と笑顔で挨拶するラファ姉には

先ほどの虚ろな表情だった時の重い空気は、ない。

(クロスティア:「今は僕たちがいるから笑顔で居るけれど

一人になったら、またさっきみたく『ヌケガラ』になるよ。)

とクロスティアからWISが来て、オレは状況を理解した。

(クロスティア:「ともかく普通に。いつもどおり話すといいよ。」)

とWISで言ったクロスティアは

「ラファ姉。この間のケーキ、まだある?」と質問した。

「ええ、確かまだ残ってるはずよ(^^」と言うラファ姉に

「じゃあ、食べたいなぁ。」とクロスティアは、ケロッとした顔で言った。

「そう。今から持ってくるわ(^^」とラファ姉は笑顔で再び台所に消えた。


「ケーキって?(・・?」と質問するオレに

「ラファ姉が職業を選べる年齢になって、数日後に家を出ることにした日に

ママから今までに教えた料理のレシピと一緒にお菓子作りのレシピを

もらったんだって。で、そのレシピを元に1週間前にラファ姉が

ケーキを作ったの。でも、その時はぼくがまだ寝てて食べられなかったから

まだ残ってるかなぁって、思ったの。」

とクロスティアが答えた。


これは余談だが、クー兄を筆頭としたオレ達4人兄弟は、

幼い頃に家事を少しずつ叩き込まれている。

中でも『料理』に関してはそれこそ失敗とかいろいろやってるので

そこから得た知識も多少はある。

『例え一生を一人で生きることになったとしても、一人ででも逞しく生き抜け!』

コレがオレ達の親の『教育方針』だった。


(しかし、今考えてみればコレは誤算なんじゃなかれか?)

とオレは思う。

(クー兄やラファン・そして、オレは必要に応じて料理もやっているが、

クロスティアは、やってないような気が…。)

現在は『昼寝大魔神』と化してるクロスティアを横目で見ながら、オレは思った。

(両親の計画は、一部で大誤算だな…。)と