『予想外の…〜パーティU〜』


トスカ…。みなさんは彼を覚えているだろうか?

以前、『ナゾの薬、騒動記』で女イリュームにケンカを挑み、

イリュームに剣を取られてノド元に突きつけられた戦士のコトを…。


パーティ会場の中で

彼は一人でケーキを食べたり、酒飲みに興じていた。

パーティ会場のほとんどがカップルやら夫婦やらで盛り上がっている。


(どうせ今年も一人だよっ!)半ばヤケになってヤケ食いする戦士。

「およ?トスカだっけ?」

聞き慣れた声…と言うよりも前に聞いた声に気が付いて振り向くトスカ。

そこに立っていたのは、

以前自分の目の前で薬を飲んで体が女になってしまったイリュームだった。


「何の用だ!」

酒が入っているせいか、ややムスッとした顔で言うトスカ。

「楽しんでる?」と陽気に訊くイリュームに

「ヤケだヤケ。」とそっぽを向いてヤケ食いするトスカ。

「どうでもいいこと訊くけど、アンタ酒飲めたの?(・・?」

と女のイリュームに訊かれて

「にょめる訳にゃいらろ!…れ?」とろれつが回らなくなってるトスカ。

「やばぁー。水、持ってくるかぁ?(・・;」

と少し心配そうな顔でトスカを見るイリューム。

「大体、貴様が女になったこと自体がまちがひにゃんだぞぉ?」

だんだん口調が崩れている…トスカの中で酔いが回っている証拠だった。

「ともかく水でも飲め、水を…なっ(^^;」

とイリュームに水の入ったコップを渡されて

トスカは、コップの水を一気飲みした。


「…ふぅ。お前のせいで、俺の人生計画が…(−−;」と落胆のトスカ。

「オレだって、人生ヤバイのだが?狩り仲間に女ならば…とか

画策されてるし(^^;」と苦笑するイリューム。

「お前ほどの修なら蹴散らせば良かろう?…はぁ、また彼女でも探すか。」

溜息と共に吐き出したトスカの言葉に

「いいんじゃねえの?戦士=カコイイのイメージ職だし。末は騎士だなw

上級職にも就けるあたり、理想だろ?狩りやってれば、そのうちいい彼女も

出来るって(^^」

まだまだ諦めちゃダメさ!と笑顔で笑って励ますイリュームに


「外見は女なのに、言うことは男だな(^^」とトスカに言われて

「悪かったな。外見は女だが、もともとの性別は男だ(・・#」

とちょっとムスッとして、イリュームが言い返す。

「あはははは。でも、その思い切りの良さはいいなw

…いつかLvが同じになったら、一緒に狩りしてみたいもんだ(^^」

と言うトスカに

「Lvで追いつけるモンなら、追いついてみろ。そしたら狩りでも

PTの相方でもなってやるさ+(・・」

ヘヘンって顔して、イリュームは宣戦布告した。


この宣戦布告が…実行されることは、なかったらしい。

と言うのが発覚するのは、これからかなーーーーり後のコト。


「ありがとうな、おかげで吹っ切れた。」と言うトスカに

「お互い頑張ろうな。自分の未来のために(・w・」と言うイリューム

「もちろんだ。お前のLv、追い抜かすぞー+(・・」

と元気に言うトスカには、さっきまでの落ち込んだ空気は、なかった。