『予想外の…〜風林火山〜』


午後1時。

ミルレス某所…風林火山の自宅。

「おししょー、何作ってるの?(・・?」

好奇心の顔で弟子のエシュオンが、横から覗き込んでいる。

「まぁ、ちょっとしたものですよ(^^」と言う風林火山。


しかし、『食べ物だ。』とは言わないのが、この人の知恵かもしれない。

『食べ物だ。』とか『お菓子だ』と言うと、エシュオンが手をつけそうなので

その法則を逆手に取り、食べ物だ。とは言わない風林火山。


そして、その風林火山の近くにはケーキ用の箱が10個ほど積み重なっている。

全種類作るとしてもあと10個作らないといけない。

「エシュオン…今から出かけてきますね。」

「え?!おししょー?!何でー?!煤i・・;」と言う弟子に

「新作のお菓子、テーブルの上に置いておいたから(^^」

とニッコリ笑顔で言われて

「新作のっ?!わぁ、おししょー、いってらっしゃーい(>w<)ノシ」

と相変わらずお菓子につられるエシュオン。

「行って来ます(^^」と風林火山は、ケーキ用の箱10個を持って

歩き出した。


30分後…。

作ったケーキを持ってお料理教室の会場まで持っていく。

そのついでに会場を見てみると

他の人たちが、必死になってケーキを焼いたりしている。

(すごいね…。)と思っていると

ラファンが気が付いてドアを開けてくれた。


「先生、コレ作ってきました。」

と風林火山は、そうっとケーキの箱をテーブルに置いた。

「すごい。10個も?!煤i・・;」とラファンは、驚いている。

「結構、楽しいです(^^」とにっこり笑う風林火山。

「お料理は、作ることの楽しさとかが分かると面白いです(^^」

とラファンは、笑顔で言った。


「先生!オレンジの輪切り、どのくらい使えばいいんですか?!」

とラファンの左斜め後ろの位置のキッチンで質問の声が聞こえた

「オレンジは、スポンジケーキに敷き詰める程度です。」

と言うと、ラファンは声のした方へと駆けていく。

取り残された風林火山は、このまま家に帰るのもなんなので

空いてる台所に入ると、材料を持ち出してケーキを作り始めた。


午後5時。

「終わった。(^^」と言う風林火山の側には

残りの10個のケーキが仕上がっていた。

手際がそこそこ良かったのか、それとも機転が回ったのか?

風林火山は、ケーキ用の箱にケーキを収めると

「それではまた(^^ノシ」とみんなに手を振り、家路へと戻った


午後7時半。

「ただいまー(^^」と声を投げかけると

「あー。もう、おししょー!お腹空きましたぁ。何か作って下さい><」

と弟子のエシュオンがワガママを言っている。

「はいはい(^^」と笑顔で言う風林火山。


ふと居間のテーブルを見ると、そこにあった新作のチョコのお菓子は

全部キレイになくなっていた。

(さすがはエシュオンw相変わらず食べっぷりがいいですね)

クスッと笑うと風林火山は台所に立って、夕飯の準備を始めた。

(ガブリエル、どうしているでしょうね。)

とかつての弟子のコトを何となく思い出しているお師匠でしたとさ。