君に贈る、巫山戯た作品〜続編(? その8


ルアス王宮庭園…。

その中にLv1服・ブラッディカウルの格好で風林火山は、現れた。

両手で抱えている守護動物の頭を優しくなでながら、記憶を読み取る風林火山。

(さて、町中を歩いてみるか。)
守護動物を抱えながら、王宮庭園の出口へと向かった。
そして、そこから抜けたあとに広場に向かって歩き出した。

その頃、伝説のギルドアジトの中で…。

(…あれ?)とディカンは、探し物をしていた。
「ディカン、どうしたの?」ふいに後ろの方から女性の声がして
ディカンは後ろを振り向いた。
そこに立っていたのは、ヘルさんだった。

「あ、おはようございます。師匠」
ぼくはそう挨拶した。

「おはよう、ディカン。何を探しているの?」
と質問してきたヘルさんに

「数日以上前に守護動物が居なくなって、今探しているんです。」
とディカンは、そう言いながらも
アジトの中の本棚の隙間や口の空いた箱の中を見ている。

「見つかるといいわね。」とヘルさんは、笑顔で言った。

5分後、風林火山は…。

「むぅ…(−−?」とルアス町広場で悩んでいた。
守護動物の記憶を読み取って行く先でスランプが起きてしまったらしい。

腕に抱えた緑の物体の記憶を読んでいると、
似たような家がいくつも集まっているイメージが出てくる。

(これは意外と困難な問題だな)内心、少しだけ焦っていた。
だが、こういうときに限ってふと

(あ。そうだ!弟子のガブリエルのところにでも遊びに行こう。)
確かルアスに居を構えているはず…と思い出して早速WISする始末。

しかし、この判断が後の好転に転がるとは気が付いてない風林火山。

(風林火山:「久しぶり、ガブリエル。元気かい?(^^」)
とWISしてみると

(ガブリエル:「お師匠!お久しぶりです(^ワ^」)
とすぐにガブリエルから返事が返ってきた。

(風林火山:「実は今、ルアスの町広場にいるんだ。
今から君の家に行こうかと思ったんだけれど、いいかな?(・・?」)
遠慮がちに質問する風林に。

(ガブリエル:「今からですか?いいですよ。(^^」)
とガブリエルは、OKサインをくれた。

(風林火山:「良かった。じゃあ、君の住所と座標をよろしく」)
と言うとガブリエルは、詳しく説明してくれた。

(風林火山:「じゃあ今から行くよ(^^」)
と言うと、風林はWISを打ち切って走り出した。

20分後…。

ガブリエルの家のドアにノックの音が響く。

ガチャッ…とドアを開けたガブリエルの目の前に
久しぶりに会ったお師匠がLv1服にブラッディカウルの格好で立っていた。

「どうぞ…(^^」と笑顔で迎えられた師匠は、
「お邪魔します(^^」と笑顔で家の中に入った。

「しかし、お師匠。その守護動物、どうなされたのですか?」
居間の中。ソファーに座ってガブリエルが訊いた。
その隣で彼の奥さんのティアイエルも頷いている。

「実は、『僕の特技』でこの守護動物の飼い主がルアスに住んでることが
分かってね。今探そうとしてたんだけれど、ちょっとスランプで探すのが難しくて(^^;」
と苦笑する風林火山。

「ねぇ、ガブリエルの元『お師匠』さま」
と何かを思いついたようにティアイエルが口を開く。

「何だい?(^^」と笑顔で言う風林に

「その…『守護動物の飼い主』の『名前』は、分かってるんですか?」
とティアイエルは、質問する。

「うん、それは分かるよ(・・」と頷くと

「確か…『ディカンプール』って名前の盗賊さんだね。」と答えた。

「ああ!私達の結婚式の時に用事で来れなくなった盗賊さんだわ!!」
とティアイエルは指をパチンと鳴らして言った。

「そうだね。(^^」とガブリエルも笑って頷く。

「え?知り合いなの?(・・?」
ちょっと意外そうにあっけにとられた風林火山。

「知ってるも何も、オレ実際に本人にも会ったことがありますから(^^」
とにこっと笑ってガブリエルが言った。

(うーん。人の縁ほど読めないものは、ないものだ(・・;))
心の中で意外な縁にわずかに驚きつつ、
反面ガブリエルの人脈に、何となく頼もしいものを感じる風林火山だった。