君に贈る、巫山戯た作品〜続編(? その9


15分後…。

風林火山は、ガブリエルとティアイエルの3人で
ディカンのいるアジトまで歩いていた。

「あともうちょっとですね。」と歩きながら言うガブリエルのカッコは
どういうわけか、Lv1服にピュアリィカウルのいでたちだった。

「ふと思ったんだけれど、何でそのカッコ?(^^」
さっきまで61服だったのに。と笑いながら言う風林火山。

「気分です+(・・」とガブリエルは、それだけ答えた。
多分、単純に師匠の格好のマネでもしたかったんだろう。

「でも、そうやって似たような格好すると双子みたいw」
きゃはははwと歩きながらティアイエルが爆笑した。

(確かに…。)口には出さなかったが
風林火山とガブリエルはそう思った。

やがて、民家の一つを見つけてガブリエルの足が止まった。

「あ、ココです、ココ。」とガブリエルが足を止めた。

「へぇ、ココかぁ。(^^」と風林火山は、目の前にある民家を見た。

「それじゃあ行ってみようw」とティアイエルが浮かれている。

「そうだね(^^」と風林火山はドアをノックした。

「コンコン、コンコン♪」と乾いた木の音がする。

「はい、どちら様ですか?」とドアが開いた。
そこから顔を出したのは、ディカン本人。
しかし、ディカンは驚いた。

彼の目の前にはLv1服に色違いの羽帽子をかぶった2人と
61服の修の女性が立っていた。

「…どっちが、ガブリエルさん??(・・;」ディカンは、困惑した。

「はぁーい、オレでーす(^^」とピュアリィカウルをかぶった聖が手を挙げる。

「なるほど…ところで今日は何か?(・・?」と質問するディカンに

「はい。コレ、君のだよね?(^^」と抱えていた守護動物を渡す風林。

「あ!煤i・・;」と驚くディカンに

「ごめんねぇ。僕の弟子がミルレス町で見つけて
『虫』とカン違いして持って来ちゃったんだよ(^^;」と苦笑しながら謝る風林火山。

「はい、確かにぼくのです(・・;」と頷いて守護動物を受けとるディカン。

「そうそう…ディカン君だっけ?」と訊く風林火山に

「はい。」と答えるディカンを見て

「君の守護動物…かなり精神的に追い詰められてたみたいだね。
『君の役に立ちたい』ただそれだけの為に君の許を離れたみたいだよ?
そして、守護クンは『エルモア』になって君の役に立ちたくて
修行の旅に出たんだってさ(^^」
って気持ちが伝わってきたんだ。と風林火山は、笑顔で言った。

「そんなコトを考えてたのか?」とディカンは守護動物を見た。
ディカンの両手の上で守護動物は視線が泳いでいた。

コラ、そこの聖職者!我輩の気持ちを読むでない!!
しかも愛しのご主人(ますたぁ)に向かって白状するでない!!
余計に心配をかけてしまうではないかっ!

…いや、かと言って全く心配してなかったりだと逆に寂しいのだが…。
それでもいらぬ心配をかけさせたくないではないかっ!!

と気持ちの上で憤慨して膨れている守護動物の頭に手を置きながら

「ああ、守護くんに怒られてしまったよ。余計なコトを言うなとね(^^」
と風林火山は、クスッと笑って守護動物の頭にのせた手を離した。

「さて、それじゃあね。ディカン君、守護クン(^^ノシ」
とニッコリ笑って手を振ると風林火山は、歩き出した

「それじゃあ、ディカンさん。また(^^ノシ」

「またねぇーw」
とガブリエル・ティアイエルは、手を振って風林火山の後を追った。

3人が消えた後にディカンは守護動物を肩にのせると、ドアを閉めた。

アジトのテーブルに守護動物をのっけて
「本当に『エルモア』になろうとしてたの?」
と質問した。
ディカンの質問に小さな目をそらす守護動物。

「強くなくても、役に立たなくても、ぼくは気にしないよ。
それよりも何よりも、もう居なくなっちゃダメだよ。心配するからね。」
とディカンは守護動物の頭をなでて笑いかけた。

ご主人(ますたぁ)、感謝します。
我輩のことをこんなに心配してくれたのに、我輩は気づきもしませんでした。

でも、今こうして再びご主人(ますたぁ)と会うことが出来て
我輩は、正直嬉しいです。

我輩は…ご主人(ますたぁ)の側にいます。

「…あれ?」とディカンは、きょとんとした。
目の前で見ている守護動物から何かが聞こえたような気がした。

(気のせいかな?今「我輩は、正直嬉しいです。」って…。)
一瞬不思議にすら思ったが、フッと笑顔になると

「僕も君が戻ってきてうれしいよ(^^」と喜んでいた。


                         ★終わり★