君に贈る、巫山戯た作品〜続編(? その3


「あ、ゴメンね。つい見入ってた(^^;」
それまでボーッとルアス王宮を眺めていた、またーり聖。
しかし、ハッと我に返って足元の守護動物に苦笑の体で謝っていた。

「さぁ、そろそろ行こうか(^^」
気を取り直して、歩き出すまたーり聖の後を
ぴょんぴょん飛んで追いかける緑の物体。

ところがそれは、やってきた。

スッ…と王宮庭園に入ってきたリーシャ。
その後にやって来たポチョムキンを肩に乗せたハーレー。

「さて、スキル買ってとっとと覚えなくっ…きゃ!」
リーシャの言葉は、続かなかった。
彼女が歩き出そうとした時。目の前を1匹の守護動物が通りかかった。

そして、運悪くリーシャは転倒しそうになりかけて
とっさの判断で尻餅をついて回避した。

「え?だ、大丈夫?!」
とビックリしてリーシャの側へと小走りで行くハーレー。

「全くもう!一体何なのよぉ!!」と怒って叫ぶリーシャ。
その声でまたーり聖も足を止めて振り返る。
リーシャの近くにいたのは、またーり聖の守護動物だった。

(あっちゃー、迷子になっちゃったんだ)と慌てて守護動物の側へと走る。
それに気が付いたリーシャがまたーり聖を見て

「あー、あなたね!この守護動物の持ち主は!!危ないじゃないの!
それに守護動物を置いていこうなんて何事?!私、転倒しかけたのよ!!」
怒りに任せて言うリーシャ。

しかし…

「ごめんね、お嬢さん。怪我はなかった?
守護動物を置いてくつもりは、なかったんだ。
だから、ゆっくり歩いていたんだけれど、人ごみにまぎれてね。
迷子になっちゃって、探していたんだ…。」
と困った顔で謝るまたーり聖にリーシャの怒りが少しばかり引いた。

「そうだったの。でも、だったら今度は、ハーレーみたく肩に乗せたら?」
こんな感じに…。とハーレーを指差して言うリーシャ。

そして、指さされたハーレーの肩で、ポチョムキンが肩に乗り切れずにあがいていた。

「なるほど。いい事を教えてくれてありがとう。(^^」
と笑顔でお礼を言うまたーり聖。

「でも…。まだ私、怒っているからね。」と言うリーシャ。

「すいません。でも、僕に出来ることなら何かお手伝いしますので…。」
と言うまたーり聖に。

「あなたのLvは?」と質問するリーシャ。

「…70です。」と言うまたーり聖に

「じゃあLv上げを手伝って!それでチャラにするから。」と言うリーシャに

「それで良ければ(^^」とまたーり聖は、笑顔で答えた。

「決めた!ハーレー、これで心置きなく狩り出来るわね(^^」
とリーシャは嬉しそうに言った。

数分後…。

リーシャは、戦士の新しいスキルを覚えて王宮庭園を後にした。

その後に続くは、ポチョムキンを肩に乗せたハーレーと
同じく緑の物体を両手で抱えているまたーり聖だった。

「あぅ?(:初めまして、僕は、ポチョムキン。君は?)」

「あぅあぅ(:初めまして、実は我輩には名前がないのである(;;))」

「あぅっ?(:え?つけてもらってないの?)」

「あぅ(:うむ。最初から我輩に名前は、ない。)」

「あぅ…?(:名前ないと不便じゃない??)」

「あぅ(:うむ。でも最初のますたぁは、我輩をドリル代わりに投げたのだ。)」

「あうぅ(:ヒドイますたぁだね。その人(;;))」

「あぅっw(:うむ。だが、今は愛しのますたぁと呼べる人が出来たw)」

「あ…あぅ?(:あ、もしかして今の人?)」

「あうぅ、あぅ(:ううん、違うよ。でも今のますたぁも優しいけどね(^^))」

「あ?あぅっ?(:ええ?!じゃあ君のホントのますたぁはぁ?!Σ(・・;))」

守護動物同士は、鳴き声で会話をしていた。

「何を話しているんだろうね?(^^」とまたーり聖は、2匹の様子を見ていた。

「さぁ、でも守護動物同士ですから。(^^」
言葉の上では、会話も出来るかと。とハーレーは笑顔で答えた。