第7話『ノカン村』 オレは、ガブリエルだ。 現在ミルレス〜ルアス4でナイトモスを狩ってる。 今のLvは25で、あと50%で次のLvになる。 しかし、オレにはまだ分からないことがある。 ティアイエルのLvの上がり具合が、ヤケに早いということだ。 アイツが走り抜けていく時にたまーにLvを訊いたりしているんだが、 その度にオレの倍のスピードで上がっているんだよなぁ。 でも、負けられない。そう思っている。 ミルレス〜ルアス4 今日もオレは、ナイトモスで狩りをしていた。 タタタタタタタ・・・といつもの足音が聞こえてきた。 「よぉ、今のLvいくつなんだよ?」 聞こえてきた足音の方に質問すると 「今、50ヘル!」とだけ答えて足音は、先のエリアへと走って行った。 この足音の主が今のオレのライバル、『ティアイエル』。 職業が修道士で性別が女。 な、ハズなんだけれど、そんな気がしねーや。 今のトコ、Lv25も差をつけられててオレとしては、少々焦っている。 (まったく。いい気なもんだ(・・#)) 苛立たしさをナイトモスにぶつけて オレは、自分の経験値を上げていた。 ところが…。 「怒りは、新たな力になります。しかし、同時に判断力も鈍りますよ。」 と冷静な一言が聞こえてきた。 振り向くとそこにはLv71服の聖女が一人。 「ライバルだと思う奴にLvを抜かれて焦らない奴は、いないっての。」 呆れたようにガブリエルは、聖女を見下した。 「ならば、私と共に来ますか?Lv上げのお手伝いならしますよ」 そう言われて 「それでLvが上がるなら、行くけど?」 とガブリエルは、言い返した。 「必ずや上がるでしょうね。」と言うと、聖女は歩き出した ガブリエルも半信半疑で聖女の後を追うように歩き出す。 しばらく歩いて着いた先は、ノカン村だった。 その途中、モンスターに幾度となく襲われたが 71服の聖女の補佐のおかげで楽々と狩れた。 「ここは?」と訊くガブリエルに 「ここは、ノカン村です。ノカンという名のモンスターがいるのですよ。 今のあなたは、まだ21服なのでこのあたりが最適ですわ。」 と71服の聖女が穏やかに答えた。 「ふーん、そっかぁ。ところでアンタの名前は?」 と質問したガブリエル。 「私は…。」と聖女が質問に答えようとした時。 聖女の背後で何かが当たった。 くるりと向きを変えた聖女は、カルタハンマーで5回ほど殴りを入れた。 「クワーオ」とわずかな断末魔を残して何かが倒れた。 「何?」と聖女の隣に移動し、倒したものを見た。 「これがノカンですわ。」と聖女が倒れたものを指さした。 ノカン…。耳長の…子供くらいの大きさのモンスター。 一見してそう感じたガブリエル。 「そうそう、言い忘れてましたわね。私の名前は、ミリアですわ。」 71服聖女が自己紹介をした。 「ミリア…か。オレは、ガブリエルだ。よろしく。」 とオレも自己紹介をしていた。 とその時だった。 タシタシッ・・・と軽快な音と共に右側からノカンが3・4匹。 前方から2匹・右後方から2匹・左後方から1匹が出てきた。 ガブリエルとミリアは、ほぼ囲まれていた。
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