第3話 リアルタイムで翌日の4月30日・・・。 今日もイリュームは、ピンキオのクエストに励んでいた。 すると 「よぉ、Lvいくつなんだ?」アプサラスの声が聞こえた 「内緒」一言でキッパリとオレは、そう答えた。 (コイツにLv言ったら、追い抜かれる。) 直感でそう思った。 「なんだよぉ。友達じゃんか。」 アプサラスが拗ねる。 「聞いてないけど?」 そう言うと 半分ヤケになったのか、ダッシュで走ると アプサラスは、ナイトモスを狩り始めた。 「なぁ、Lvいくつなんだよ?」そう質問してくるが 「スキル見りゃ分かるだろ?10だよ10。」 大嘘ついてみた。 「ぉ、マジでLv10だ。」その時のアプサラスは、見事に騙された。 ホントのオレは、Lv19なのにさ。 「LEVEL UP」の表示がオレの上に現れた。 「Lv11おめでとー!」とアプサラスは嬉しそうに言った。 「ありがとう。あともうちょい努力すればLvもあがるから それ用にスキル買ってくる。」 そういい残すと、オレはミルレスゲートでミルレスに飛んだ。 ミルレス町広場。 ミルレスに到着したオレは、すぐに薬屋地域へと走った。 幸い、オレには友人と呼べる存在がいないので気が楽だった。 ミルレス薬屋地域・・・。 神官のところまでダッシュで走る。 周りをキョロキョロ見回して、人がいないことを確認。 (よし、誰もいない。) 急いでコークスクリューとセルフヒールを買って、その場で覚えた。 そして、何事もなかったかのように普通に歩いて広場へと戻った ところがここから大誤算が出るとは、思ってもみなかった。 「あらぁ〜wこんにちは^^」 広場に戻った途端、見知らぬ修の女性に声をかけられた。 (誰だろ??)全然話したこともない人だった。 「こ、こんにちは。」とりあえず、挨拶だけはした。 「昨日あなたが雑貨屋方向に行くのが見えた時、すごくカッコ良かったから。 ねぇねぇ、Lvいくつなの?」 半ばその空気に気圧されてオレは、つい。 「え、えと・・・20です。」とLvを答えてしまった。 「キャハw私と1Lv差だわ(>w<)」とはしゃぐ修の女性は 「ねぇ。良かったら一緒に組んでノカン村行きましょ〜♪」 と狩りに誘ってきた。 「???ノカン村?」きょとんと訳が分からないオレを見て 「行ったことないの?それじゃあ行きましょw」とにっこり笑顔。 その笑顔に負けて、オレは彼女と組むことにした。 ミルレス〜ルアス4 「遅い。」アプサラスは、イリュームが戻ってくるのを待っていた。 ただ待ってた訳ではない。ナイトモスにケリを入れながらである。 そんなさなか。 「一番乗り〜♪」と言いながら21服の修女が走って行った。 (お、あれは昨日オレが口説いたお嬢さんではないか!) アプサラスは、すぐに気が付いた。その直後! 「ま、待ってくださいー!」次に現れたのは、イリュームだった。 走る速度は、明らかに21服修女のそれに劣らない。 2人は走って次のエリアへと消えた。 残されたアプサラスは、一気に悟った さっきのイリュームの一言は大嘘だ・・・と アプサラスの思惑を知るよしもなく、ノカン村に到着。 「はぁー、いい運動したねっ♪」 と21服修女は、ケロリとしている。 「足腰鍛えてるんですね^^;」 イリュームは慣れない長距離でゼイゼイと肩で息をしている。 「でもぉー、ここは経験値おいしいよっ☆」 にっこりと笑顔でいう21服修女。 (すごい人だ^^;)何故か苦笑しつつも尊敬してしまった。 とその時ノカンが現れた。 軽くタシタシッと跳躍するように歩くノカン。 「出たわね〜♪」と相方の21服修女がノカンの前で止まり、そして・・・ 「コークスクリュー!」 腕全体が回転して、ノカンを殴る。 2連続でノカンは小さな断末魔と共に倒れた。 (あれがオレの覚えた技の威力なのか・・・。)そう思った。 「えへへー、どう?凄いでしょ?w」とニッコリ笑う21服修女。 「はい^^」オレも素直に笑顔で頷いた。 後になって名前を教えてもらったが、彼女の名前はミアス。 後に何度か狩りで組むことになる・・・。 落ち着いてきたオレは、ミアスと共にノカン村の入り口付近で ノカン狩りを続けた。 夕日が落ちるか落ちないかくらいの頃、オレはミルレスに戻った。 ミルレス町・・・。 戻ってみると、広場のあたりにアプサラスがいた。 声をかけようかと思ったが、またナンパ中だったら邪魔するのも悪い。 声をかけずにどこかで寝る場所でも探すか。 と思ったら・・・。 「よぉ、探したぞ。」意外なことにあっちから声をかけてきた。 「なに?」いつものようにそっけなく訊いた。 「お前、寝る場所どうしてんだ?」 意外なコトをきかれて思わず拍子抜け。 (Lvを訊かないのか?) 内心そう思ったが、言う気はなかった。 「場所はかなりてきとーだ。居心地と天気がよければ、外でも寝てるし 雨でも降ったら、空きの民家にでも入って寝るだけだ。」 普通に答えて「じゃあな。」と手を振り、歩き出そうとした 「オレの家に来ないか?」アプサラスが訊いてきた 「却下。」振り向かずにオレはそう答えた。 「何でだよ?!」 「何となく・・・だな。じゃあな」 と後ろ手にアプサラスに手を振り、イリュームは薬屋地域へと消えた。 「何なんだアイツは」アプサラスは一人ごちた。 ミルレス薬屋地域・・・。 (やっと一人になれた)ちょっとだけ安堵しつつ、寝る場所を探す。 誰かと一緒にいるのはどうも苦手だった。 話をあわせるのも苦手だった。協調していくことが分からず、悩んでいた。 でも、やっぱり分からずに気が付けばずっとソロ・・・。 (今日やったノカン狩り、楽しかった。)ふと、少し思い出した。 (ミアスと一緒にノカン狩りして、Lvのこととか関係なしに楽しめた。 結果的に3Lv上がって、嬉しかったなー。) 思わずほんの少しだけ笑っていた。 しばらく歩き回る間に、無人の空き民家を見つけた。 (今夜は、ここで寝るか。)そう決めて、部屋に入った。 念の為、ドアの鍵を掛けた。 明かりを消して、近くのベッドで眠りについた ゆっくりと夜が更けていった・・・。
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