第2話


パソコンのウインドウ上で修のキャラを使い、

ナイトモスを倒しながら毬絵は、悩んでいた。

(どのサーバにも入れるキャラは3人。)

(イアサーバにいるのは4キャラだから、1人だけ抜かないと)

と考えてみるが、名案が思いつかない。

仕方がなく、Lvで考えることにした

(魔は、今Lv45だし、聖は50だし…修にいたっては35.

修でLv35といえば、イミット覚えればかなりおいしい…。)


結局、考えた末に戦士キャラのクロスティアを除外にして

チャットキャラとして使うことにした。

幸い、クロスティアはまだLv16で無料使用キャラのLv制限内だ。

(良かったー。これで課金の時の対策も出来た)

心配になるものがなくなり、安心してまたアスガルドに没頭した。


そして、課金後…。

当初の予定通り、クロスティアは『チャット用キャラ』になった

毬絵も時々はクロスティアを出して会話したりしていた。

「もう時間ね。」毬絵は時計を見るなり、パソコンの電源を切った。


そしてその頃アスガルド・・・。

そこは、普通の場合にはない現象が起きていた。

「ふぅー、まったく。ご主人は手荒いね。」

そうグチッたのは、数分前までログインしてたクロスティアだった

Lv1服は着古されていて、もうなじんでる感じがする。

「僕、捨てられるのかな?」不安になりながらそうボヤいた。


「何?!お前捨てられちゃうの?!」といきなり背後で声がした

ビクッとしながら振り向いたクロスティアの視線の先には

修のイリュームが立っていた。

「あー、ビックリした。」

「あはは。ゴメンよっ!」とイリュームは
ちょっとだけ謝った。

「うん、もしかしたらね。」とクロスティアは頷いた

「でも、お前はまだ課金対象じゃないから。

大丈夫。まだ一緒にいられるよ」とイリュームは微妙な一言を返した

でも、本当に困ってるのは別のこと・・・。

「僕たちの兄さんと姉さんには、まだそれ言ってない。」

ゆっくり…そう言った。

「ふーん。そっか」とイリュームは普通に言って

「でも、あの2人もバカじゃないとは思うぞ。多分気がついてるはず」

と言葉を付け足した。

「そうだね…。でも…さぁ、ホントはちょっと後悔かなぁ。」

イリュームに聞こえないようにって位の声で話したけれど

「後悔?へぇ、お前も後悔するんだな」とモロに聞こえていた。

(地獄耳だ^^;)思わず、そう言いそうになって慌てて止めた。


「クロスティア。」

と聞き覚えのある声がした。そこにいたのは・・・。

さっきちょこっとだけ出た僕の兄さんと姉さんだった


「こんばんは。兄さん、姉さん。僕は課金対象キャラになれなかった」

まさかドヨーンなんて落ち込むわけにもいかないので

ワザと作り笑顔でちょっと残念。くらいな表情でそう言うと


「確かに私たちのリアルは、イアではあなたを選ばなかったけれど

でもね。聞いちゃった。クロスティア、あなたはイア以外の世界で

新たな存在として生まれ変わるの。」と意外な情報を教えてくれた


イア以外の世界・・・。それはクロスティアにはまだ見ぬ世界。

まだまだ謎をもったまま・・・この話は続く。