『ラファ姉、失踪 時々 誘拐U』


イリュームとクーリエの2人がルアスについた頃。

「何であなたが私を捕まえたの?」

後ろ手に縄で縛られているラファンの視線の先にいた者。

それはトフィだった。


「悪いな。ある人から依頼されたんだ。あんたを捕まえてくれってね。

それ以上は、言えない。正直、詳しいことは何も知らない。」

本当にすまない。と謝るトフィ。

「そうですか。(・・」とだけ答えるラファン。

(この様子だと、殺人とかはなさそうね)

何となく、そう思ったラファンだった。


その数分後。

ラファンは、2人の兄弟に『大丈夫そうなので、自力で逃げ出します』

とWISした。

それに応じるように兄弟2人はルアスから姿を消した。


そして、依頼主らしき集団がやってきた。

戦闘ギルドではない普通のギルド員のようだった。

「依頼をあなたに頼んで良かったわ。これはお礼よ。」

と謝礼金をたっぷり渡すと集団は、ラファンを連れて行った。

(何かが違う気がする…。)トフィはそう思った。


ラファンが連れて行かれた先…。

そこは大きな屋敷のような建物だった。

「ギルマス様、目的の聖職者を捕らえました」

ギルド員の中の一人の女性が目の前の椅子に座るギルマスに

うやうやしく、一礼をした。


「初めまして(^^」とにこやかに笑顔で挨拶するラファン。

しかし、ギルマスの返事はない。

(そっちから呼び出しといて何様ですか。(^^#))

と内心ちょっと怒っていたものの、あえて言う気はない。


「私に用とは、何でしょうか?(^^」

笑顔を崩さず、にこやかにラファンは、訊いた。

「私に付き合え」とギルマスの騎士が切り出した。

声の感じからして、男の人だが、何だか高圧的なように感じた。