『ニルスの困惑〜その4〜』


とある民家の中…。

「…(゜゜」と無言で呆然としているのは、エリン。

「全く、君はヒドイ女性(ひと)だね。僕が君を好きなのは知っていただろう?

なのに、あんな冷たい修の追っかけやってるなんてね。」

意外だったよ。と魔術師がクスッと笑う。

「…(゜゜」とエリンは、無反応。

「でも、僕なら君の側にいてあげるよ。

君が側にいてくれって言うのであれば、ずっと側にいてあげるし

狩りに行くのなら、どこへでも連れて行ってあげるよ(^^」

と笑顔で言う魔術師。

けど、エリンは目の前で聞こえてくる言葉すら入ってこなかった。


(あの人は、ニルスはあんなに冷たい人じゃない。むしろ優しい人だと…

そう思ってたのに。(><。。。)

エリンの頭の中で昔の記憶が回りだす…。


1年前…ルケシオンダンジョン1階。

サルのモンスターが出るエリアで、エリンはかなりのサルに目をつけられていた。

(怖い!!(><))と恐怖で逃げるエリン。

そのエリンを楽しそうに追うサル集団。

あともうちょっとで入り口。というところでサルにつかまった。

ボカボカ殴られながらもスキルで攻撃するエリン。

しかし、回復アイテムもかなりキツくなってきたその時。


「マシンガンキック!」とスキルを使う声がした。

(え?)と思った瞬間、エリンの目の前のワイキモンキが倒れた。

「オラオラ!もういっちょ!!」

と修道士がスキルを繰り出す度に

次々とエリンのタゲのサルが砂浜に倒れていった。

あっけにとられるエリン。


やがて、掃除完了したかと思われた頃。

「コラ、そこの女。狩場で無茶すんなよ?沸いたら逃げる、これが鉄則だ。」

とエリンにアドバイスしているのは、61服にゴーグルの格好のニルスだった。

「はい(///」とエリンは、思わず頷いていた。

「んじゃーな。(・・ノシ」と言うと、ニルスは来た道を引き返して行った。


エリンの頭の中の過去の記憶がここで止まった。


(今は、何としてもまた会いたい!!(><))

エリンの中で強い意思が出来ていた。

その後、エリンは何度か民家を出てその度に魔術師に捕まっては

縄で体を縛られた。

そして、魔術師につかまる度に思った。

(いつかニルスに助けを求めてみよう…。)と