『ニルスの困惑〜その3〜』


「あー、ついてくるな!(・・#」と怒っているのは、ニルス。

「だってぇ、あなたの側にいたいんだもの(^^」と笑顔なエリン。

ここは…サラセン町。

結局、家から狩場へ向かおうとしてエリンをまくために

ゲートでサラセンに飛んだのだが、先回りをされてしまった。

(今どきの言葉で言ったら『ストーカー』だな。(−−;))

何となくそう思ったが、腕にひっついてくるエリンは嬉しそうだった。

ところがその2人を人ごみから見る者が一人。


サラセンダンジョン1

何となく気分でやってきたこのエリアで青バギを狩るニルス。

その顔は、いつものように『楽しそうな顔』ではなく

明らかに『呆れ顔』だった。


ニルスを『呆れ顔』にしている張本人は、これまた楽しそうに狩りしている。

(こんなところまでついて来るのかよぉ(−−;))

落胆するニルス。


と、そんな時だ。

「ファイアボール。」とかすかに声がした後に火の玉が飛んできた。

とっさに横に転がって攻撃を避ける。

「何モンだ!!(・・#」と怒鳴ると出てきたのは、一人の魔術師。

「何の用だ?(・・#」と怒りの表情を変えないまま、ニルスが訊いた。

「エリンを…彼女を返せ。」と呟くように言う魔術師に

「返せとか言う以前に何とかしてくれ。

オレはアイツのコト、好きでも何でもない。

アイツが勝手にオレのところへ来た。ただそれだけだ。」

オレと魔術師の2人が言い合っている時にエリンの気配が近くにあった。

多分、話を聞いているのだろう。


「そう…。じゃあ、エリンを連れてくよ。」

と魔術師はそう呟くと、それまで着ていた21服から71服に変えて

自分の背後で呆然としていたエリンの手を掴むと

『ウィザードゲート』で消えた。


(これで終わった。そう…なにもかも。もう、オレは関係ないんだ。)

何かがふっ切れたように気持ちが軽くなった。


けど、この後になってエリンがとんでもないことになるなんて

オレは予想もつかなかった。