『ニルスの困惑〜その5〜』 エリンが魔術師に『ウィザードゲート』で連れて行かれて10日が過ぎた頃。 ニルスはいつものように自宅のベットで目を覚ました。 視界がはっきりしてきた頃になるとついベットに誰か居ないか確認してしまう。 前のこともあってか、まだ警戒心が抜けない。 でも、誰もいないと分かると何故か安心した。 (そうだ。アイツはサラDで魔術師が連れて行ったんだ。) オレはもう関係がない。と割り切ろうとしたその時。 (エリン:「ニルス、助けて!!」)といきなりWISが来た (ニルス:「朝っぱらから、なんだ?」)と言うと (エリン:「私、あの魔術師に縄で縛られてるの!(><」) と驚くようなことをWISで聞かされた。 (ニルス:「まさか。だってあの魔術師、お前のコト好きそうな顔。 してたけれどな(−−」) (エリン:「そうみたい。だけど、何か嫉妬深くてあんなの嫌!!(><」) とWISできっぱり言うエリン。 (ニルス:「で?オレにどうしろってのさ?今になって『助けて』?」) (エリン:「うん、助けて!(><」) (ニルス:「行くかどうかは、知らん。」) (エリン:「でも、場所だけは一応言うから!」) とWISで場所を言うと、エリンのWISは切れた。 消したのか、切られたのかのどっちかだろう。 「…ったく、もう知るか。あんな女(−−」 いつものノリで大きく欠伸をするとニルスは顔を洗いに向かった。 (どうしてエリンは、分かってくれないのだろう?) 魔術師は、悩んでいた。 (僕の側から逃げるから、嫌でも逃げないために縄で縛ってしまった。 それでも、エリンは逃げ出そうとする。何故だろうか?) 答えはやっぱり出なかった。 (絶対、ニルスは来てくれる(・・)) 縄で体を縛られていても、エリンの期待が薄れることはなかった。 むしろ期待が大きくなっていたのかもしれない。 数時間後…。 エリンの近くの床の戸が開いた。 「?(・・」と不思議そうな顔で見てると 「よぉ。相変わらず元気そうだな(・w・」とニルスが顔を出した。 「ニ・・・」と大きな声が出そうになったのを 「シッ。」と制したニルスは (ニルス:「静かにしろ。でないと魔術師が来るぞ。」) とWISで伝えた。 (それもそうだ。)と思い直して、静かになったエリンの背後に周り 手と背中を拘束している縄をはずしているニルス。 (やっぱり、ニルスを信じていて良かった。+(・・))とエリンは思った。 (ニルス:「実は、この下。地下道になってるようだ。 だから、下に降りて逃げるぞ」) とWISで来た指示に無言で頷くと エリンはニルスと一緒に地下道へと歩き出した。 もちろん、床の戸を元に戻して…。 その30分後、魔術師が家に戻ってきた。 そして、エリンが居ないことに気が付いて慌てた。 一体どうやってここを抜け出したのだろうか…と![]()
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