『ミキルディアとエルフィ』


『たとえばこんなオチ話』の中に出てきたミキルディアとエルフィ。

今回は2人のお話。

ミキルディア…そう、彼女は昔。Lv55の戦士だった。

そして、エルフィはその当時でLv46の聖職者だった。


あの当時。ガブリエルとティアイエルの結婚式を見て、

そして、花嫁のブーケをキャッチしたエルフィは

その足でミキルディアの側へと走って告白したのだが、断られてしまった。


その主な原因は、エルフィが泣き虫なこと。

さらにLvが50以上でないこと、名声が足りないことなどだった。


「おねえちゃん、僕もう泣かない!(・・」

グイッと泣き顔を拭いてミキルディアを見たエルフィ。


彼はその後、どうなったのだろうか?

そして、ミキルディアも元気なのだろうか?


彼らは、元気だった。

だが、相変わらずエルフィは『泣き虫』だった。

Lv54にも達したし、名声も25。

けど、エルフィは未だに結婚もせず、独身だった。

『泣き虫』だったからである。


「うわーん!狩場怖いよぉ!!(TT」

「エルフィ!狩場へ連れてってって言い出したのは、あなたよ。」

ミキルディアは、呆れたようにエルフィを見る。


「だとしてもサラDだなんて聞いてないよ!(><」

怖がってるエルフィ。

こうなってはLvが54聖と言えども、かたなしである。

「もう、いい!エルフィなんか知らない(・・#」

今まで怖がって避けてきたエルフィに堪忍袋の緒が切れたミキルディアは

怒った顔でルアスへと帰っていった。


あとに残されたエルフィは一人。

しょぼーん(・・`)と落ち込んだ。


(おねえちゃんのために役に立ちたいのに。

それなのに僕は、役立たずだし。泣き虫だし(TT)

どうすればいいんだろう(・・`))

エルフィは悩んだ。


どのくらい経っただろうか?

「どうした?(^^?」と聞いたことのある声がした。

振り向いたエルフィの視界に映るのは、61服のガブリエル。


「おねえちゃんに怒られちゃったの(;;」と泣き出すエルフィに

「ほら、元気出せ!泣いてばかりじゃ、何も解決しないぞ(^^」

と笑顔で諭すガブリエルに

「強いね(;;」と言い出すエルフィ。

「強くなんかないよ。オレだって弱い。攻撃なんか問題外だし、

回復で補佐するしか出来ないよ。でも、そんなオレでも言えることは

泣くな!ってコトだけさ。」

と優しい表情で言われて


「でも、怖いんだ。モンスターが怖いんだ(・・`」と怯えるエルフィに

「君は『ずっとそのままでいたい』の?」とガブリエルは、質問をした。

「え?」

「今からずーっと『泣き虫』のままで居たら、ずっとこのままだよ。

Lvを上げたくともモンスターへの恐怖で上げられない。

『本当の君』は、どうなりたいのかな?(^^」

とガブリエルに言われて

「強くなりたい…おねえちゃんの役に立ちたい。」

ぽつりぽつりと言うエルフィに


「今から狩りに行くんだけれど、一緒に行かない?(^^」

とガブリエルに言われて、エルフィは頷いた。

「ありがとう(^^」と言った後に

「エルフィ。狩場は怖がるものじゃなくて、楽しむものだよ。

狩場があると、それだけどんなところか分からないっていう『謎』がある。

その『謎』を見に行くために『冒険者』がいる。

そして、そこから戻ってきた者たちが『新たな歴史や情報』を教えてくれる。

僕や君は、その『謎』を見に行くって気持ちで乗り込むんだよ

…って、説得力ないよねぇ(^^;」

と苦笑するガブリエルに


「ううん、十分説得力あったよ。行こう!(^^」

と笑顔で乗り込むエルフィが居た。


そこにはさっきまでの『泣き虫』は、いなかった。