夢見る少女 G


リエル「・・・・・・ッ!!!!」


ザグッ!!!!


ジャミル「・・・・・・何故だ?・・・・・・何故、殺さない?」

剣は小屋の壁に刺さっていた。

壁を背にしていたジャミルの顔のすぐ横に、狂気の刃があった。

リエル「・・・・・・違うッッ!!!・・・・・・わたしが・・・・・・くぅっ・・・・・・

わたしが殺したかったのは・・・・・・貴様なんかじゃないッッ!!!!!」

悲痛な表情のリエルが、嗚咽混じりの声を絞り出す。

小屋の壁に刺した剣は握り締めたままだった。

少年「やめろーッ! ジャミルに何すんだーッ!!」

異変に気づいた少年が駆け寄り、リエルのマントをグイグイ引っ張っていた。

目は怒りに満ちている。

 〜それ以上は、許さない〜

さっきまで、あんなにはしゃいでいたというのに。

リエル「・・・・・・」

剣を握り締めていた手が力なく垂れた。

リエル「・・・・・・あぁ。済まなかったな、少年。

・・・・・・もう・・・・・・帰るから・・・・・・。安心してくれ」

リエルは少年の頭を撫でたが、少年はその手を払いのけた。

少年「二度とくんなよーッ! ベーッ」

トボトボと立ち去っていくリエル。

ナシスは慌てて後を追った。

ジャミル「・・・・・・おい、剣を忘れてるぞ」

リエル「・・・・・・もう・・・・・・必要ない」

ジャミル「・・・・・・恩に着る」