第14話 戦いそして結末アジェトロ編 ミィルが僕に治癒を続けている時、もう戦いは始まっていた。 シファーズの奴大丈夫か・・・ ゼルが心配しながら相手を伺ってい時、カプリコが喋りかけてきた。 そういえば紹介が遅れたな、我が名はアジェトロ、天性の魔術師也! 貴様の名は何と言う。 お、何だ、モンスターも戦いの礼儀と言うのも知ってんだな、 俺の名はゼル、この世界に迷い込んだ迷える戦士・・・とでも言っとこうか。 冗談に聞こえるみたいだったが、その表情は緊張と不安ではっきり分かるほどだった。 フン、そのような無駄口など言えぬようにしてやるわ! と、とっさにアジェトロが詠唱を始めた。 お前が詠唱している間に、俺が一撃喰らわせればいいこと。行くぜ! そしてゼルがアジェトロに攻撃を仕掛けた、 と、その瞬間に炎がアジェトロを包み込んだ。 く、ファイヤーウォールか厄介だ・・・ その時ゼルが弱々しく倒れこむ、アイスランスが足の脇腹を貫通していた。 チッ、急所を当て損ねたか、まあいい、これで終わりだ。 アジェトロがゆっくりと歩み寄る。 その時ゼルがゆらゆらと立ち上がった。 「お前には負けない」 アジェトロ以外には誰も聞こえなかったがその時の彼の声がこれで精一杯の大声だった。 貴様、その身体でよくそんな口が叩けるな・・・ それと同時にアジェトロはウィンドブレードを詠唱した。 「喰らえ!」 ゼルが数メートルほど吹き飛ばされた。 その時誰もが終わった、と思っていた。 その後またゆらゆらと立ち上がりまた言った。 「お前には負けない」と。 もはや、気力だけで立っているお前に何が出来る。 それでもゼルは、お前には負けないと言いつづけた。 その後数十分経ってもゆらゆら立ち上がり 「お前には負けない」と言いつづけた。 ついにアジェトロが痺れを切らし、フレアバーストを唱えた。 これで終わりだ! その瞬間、ゼルが炎の塊を物凄い剣圧で切り裂き、アジェトロに攻め寄った。 俺は1度すべてを失った、だが、あいつに貰った命を捨てるようなことは絶対にしない! だからまだ、まだ死ねないんだよ! クッ、この死に損ないの分際で、しかしもう魔力がない。 これで最後だ、アイスランス! アジェトロは氷の槍を三本つくり、ゼルに向け、撃った 「キーン、キーン」 二つはじいた所で剣が弾かれた 「ザシュッッ」 ゼルの右胸を貫いた、しかしまだゼルが攻め寄る。 バーサーカーレイジ! 体力を最大限まで高め、斧を持った、そして力を込めた渾身の一撃を喰らわせた。 ウォーリア―パワーアタック!! アジェトロが十数メートル吹き飛ばされた。 「見事也」 そういった瞬間、アジェトロが静かに息を引き取った。 僕の治癒を終えたミィルはゼルにまた治癒を始めた。 こうして戦いは幕を閉じた・・・
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