Ancient memory 第四部 V


最初に
Q,一日2話とかって意気込んでたのは何なのですか。
A,いやもう、弁解する余地もありません。ホントごめんなさい・・・

Q,2話でのカニデカすぎない?
A,あー確かにデカいですね。ホントならこう、身長並なのに・・・
  理由言えって?それは五部でわかるかもしれませんよ・・・

Q,正直つまんないんだけど。
A,そう言わずにw

Q,どこかにまとめないの?
A,現在友人のHPを借りて小説を載せております、もう少ししたらアドレスを載せる予定なのでお待ちください。
それと彼の作品も見てあげてください。
大爆笑っしょ?w(反省の様子無


V

夜も明け、あたりが明るくなったきたので5人は目的地へまた歩き出した。
巨大なカニも今度は現れず、日が落ちる前に目的地に近くまでやってこれた。
右には海、左には崖。
その間でセルシアたちは竜の咆哮を耳にした。

「な、何だこの声っ!」
「耳が痛いですぅー・・・」

身が竦みあがるような叫びに足を止め、あたりを見回し始めた。

「上だ、オレが打ち落とす」

崖の上の森から叫ぶ二匹の竜を見つけたガイはすぐさま両手に青いオーラを溜め始めた。
竜たちはこちらに気づいておらず、ただ海に、ただ永遠に続く空に声を上げていた。
竜にはそれぞれ搭乗者がいた。
紅い竜には槍を持つ黒い影、蒼い竜には強大な魔力を纏う黒い影。

「まったッス!」
「なんでだ?今が好機、これを逃したらいつ襲われるか・・・」
「あいつらは[ドロイカンナイト]と[ドロイカンマジシャン]ッス」
「強いの?」
「強いも何も・・・槍を使わせれば地面がえぐられ、魔法を使わせれば辺りが火の海になるって言われるほどッスよ」
「げ・・・じゃあ気づかないうちにここを通りぬけようぜ」
「むぅ・・・すまなかった」

そろそろと気配を殺しながら歩き出したジェイスの眼前に3メートルはあろう大きく紅い槍が突き立った。
彼のレッドファイアスピアではない、どこか圧倒感のある暗く紅い槍だった。

「通してくれない・・・みたいですねぇー」
「テイル、援護お願いね」
「はぁーい」

まず紅い竜、ドロイカンナイトが立ちふさがってきた。
ジェイスの眼前にある槍を抜き、こちらに構えてきた。

「ラスア、ヤツの特徴とかないか!?」

ジェイスも負けじと槍を構えるが長さが半分程度しかない。
まるで箸とようじのようにも見えるその差ではドロイカンナイトも少しも退かなかった。

「ヤツは強力な毒液やダルマシアンバギのように精神を掻き乱したり・・・」
「厄介だな・・・他にもあるのか?」
「あとは何か不思議な魔力を使い人間の見る世界を暗黒に変えるッス」
「ようするに何にも見えないってことだな!いくぞガイ!」
「おう!」

一通り相手のことを知った2人は巨大な竜に飛び掛った。
ジェイスは槍を竜の腹に風穴を開けるほどの勢いで突き出したが
硬い鎧に包まれたその体はビクともせずに反撃してきた。

「ちぃっ!なんてぇ硬さだ!」

ガイも負けじと身軽さを生かして竜に乗る騎士に殴りかかったが
竜が大口を開けて噛み付こうとしてきたのでとっさに放ったオーラで退くしかなかった。
さらに口の中には魔力が渦を巻いていて、それに目を奪われたガイはいきなり空中でバランスを崩した。

「くそっ!目が・・・見えない!!」

地面を探す手つきでなんとか立ったが今にも倒れそうな姿勢で立っていた。
見かねたセルシアが指示を出す。

「2人とも!真っ向勝負じゃ勝ち目は無いわ!」
「じゃあどうしろっていうんだよ!」
「ラスア、なんとかスキを作れないかしら?」
「俺ッチもちょっと作戦があるんスよね・・・」

一通り簡単に話し合い、さらに指示を出す。

「一旦離れて、ジェイスはラスアの後ろ、ガイはテイルに治療してもらいなさい!」
「何するかわかんねぇけど・・・任せたぞラスア!」

テイルがガイを声で呼び、なんとか安全な方へ案内し
手でガイの目の前の宙に目の形をした魔方陣を描き出した。

その間にドロイカンナイトは最前線にいたラスアに槍の間合いまで近づき始めていた。

「さて、これからがショータイムだぜデカブツさんよっ!」

ラスアがドロイカンナイトを挑発し始める、あちらこちらに魔法で火花を作ったりしていたのでドロイカンナイトもついには槍を突き出してきた。

「かかったな!ローリングストーン!」

隣の崖の岩を魔力で大きく丸く形を変えさせ、槍の進行を妨げさせた。
槍は大きな岩の中心に奥深く突き刺さり、もはや抜けなくなっていた。

「へへ、重いだろっ!今だ兄貴!」
「まかせとけっ!!」

槍が止まり、全身が無防備になった。
槍の上に足を置き、ドロイカンナイトに向かって走り出す。
すぐさま竜が噛み付こうとしてくるが逆にその頭を踏み台に空高く飛び上がった。

「ジェイス!それを打ち割りなさい!」

ジェイスの真下に緑色の爆弾を投げる。
それを捕らえたジェイスが槍の先に気を溜め・・・

「応!喰らえっ、ハボックショック!!」

強大な気で出来た巨大な槍は爆弾とドロイカンナイトを貫いて地面に突き刺さる。
さらに爆弾から出てきたのは緑色の液体、ネバネバしているゲル状の毒液だ。

「スピロウからとった特製トクシンはいかがかしら?」
「お、おまえっ!俺にかかったらどうすんだよ!」
「まーだ終わらないッスよ!アイススパイラル!」

トクシンの毒液が体を包み込んだ直後、超低温の冷気の渦がドロイカンナイトの周囲に現れた。
冷気の渦は収束していき、さらに大蛇がとぐろを巻くように締め付け、凍らせた。
体中に纏わりついた毒液はアイススパイラルによって完全に凍ってしまい
ドロイカンナイトは身動きができなくなっていた。

「ホンアモリ!」
「散々してくれたな・・・何倍にもして返してやろう!」

テイルによって腕力が高まったガイが手にオーラを溜めながらドロイカンナイトに近づく。
そのオーラはイミットゲイザーのように淡く蒼くはなく、胸を焦がす炎に変わっていた。

「おぉぉおおおおおおっ!!」

顔が先に出、次に肩、しかし後ろからとてつもないスピードで近づく拳にそれらは追い抜かれる。
炎の拳は竜の腹部に叩き込まれる。恐ろしい力で叩き込まれた拳は竜の皮を砕き、さらには体までを砕いた。
凍っていたこともあり鎧もろともドロイカンナイトは粉々に、そして塵となり海へに消えていった。
ただひとつ、槍だけを残して。

Hunting result
騎士の名残
『ドロイカンランス』