アスガルド物語〜序章〜その5


まばゆい光とともに、激しい爆音が響き渡る。
カプリコ砦は戦場と化していた。

いや、虐殺だ。

ある者は一瞬で切り刻まれ、ある者は生きたまま焼かれていく。
3人の魔術師によってカプリコの屍の山が築かれていく。

「うひゃひゃひゃひゃ、たまんね〜なぁ、豚狩りは!」

「俺は30匹はたおしたぜ!」

「俺様は31匹だ!」

「狩っても狩っても沸いてきやがる。まさにゴミだな。」

「くたばれ豚ども!モノボルト!!」

爆音とともに数匹のカプリコが吹き飛ばされる。


「これはいったい何事じゃ!?」ロドカプリコはまくしたてた。

ロドの口からほとばしる唾液を不快に思いながらも、
ナイトカプリコは事態を説明した。ロドの禿げあがった頭に数本の血管が浮き出る。

「おのれ、人間め!性懲りもなく来おって!わしの力をみせてくれるわ!」

怒り心頭で出て行くロドの前にエイアグが立ちふさがる。

「なにごとだ…」深くゆったりとした口調に一瞬たじろぐロド。

「い、いえ、たいしたことではございません。
たかが人間の1匹、このロドめにお任せくだされ。」

「!?」ナイトカプリコは耳をうたがった。

このジジイ、人の話をきいてたのか?

「おそれながらロド様。3人です。3人の魔術師です。高レベルの。」

「え゛!?」

「さ、3匹の子豚?」

エイアグの目が冷たく光った…