戦闘・・・


師匠は僕から離れ

モンスターの集団に突っ込んでいった。

 

次々と倒れていくモンスター達。

でも、数は多かった。

 

僕も参戦しないと・・・

 

と思うに反して、体は動こうとしない。

 

ただ・・・師匠がモンスターを狩っているのを

見ているしかなかった。

 

 

何分たっただろう。

もしかしたら1分も経っていないかもしれない。

僕の時間の感覚が麻痺をしていた。

 

山積みになっていくモンスターの死骸。

巧みにモンスターを狩って行く師匠。

次々と沸いて、底が見えないモンスター。

 

・・・でも、破門ならもう師匠じゃないのか・・・

 

そんな考えが僕の脳裏を過ぎる。

 

なぜ、破門にするんですか、師匠。

なぜ、スオミゲートを渡し、帰れっと言ったんですか。

なぜ・・・

 

聞いたいことがたくさんあった。

でも、しゃべることもままならない。

 

そんな僕の耳に、物音が聞こえた。

 

次の僕の視界に映ったもの・・・それは

 

今にも、僕にその円盤の刃を振り落とそうとしている

スクリムだった・・・

 

 

そして、振り下ろされる・・・

 

体が動かない。さっきの怪我か・・・

いや・・・恐怖!!

 

僕は、死を覚悟し、目を瞑った。

 

 師匠、最後に本当のこと聞きたかった・・・です

 

 

 

ザッシュ

 

・・・・・・

 

僕の額に生暖かいものが付いた。

目を開けると・・・そこには・・・

 

スクリムの刃が肩から出た血まみれの師匠がいた。

 

「師匠ーー!!」

 

僕は叫ぶ。ただ叫ぶ。それしかできないような機械のごとく・・・

師匠はそのスクリムに杖を振るい、

そいつは崩れ、動かなくなり死骸と化した。

 

師匠の肩から、血があふれ出てきた。

それを好機と見たのかモンスター達が師匠を囲む。

・・・僕の視界から師匠の姿が消えてしまった。

 

 

 

モンスターの隙間から見える光景。

地面に伏せた・・・師匠だった。

それでもなお、モンスター達は攻撃し続けた。

 

ずんずん地面が師匠の血で染まっていく。

 

「師匠ーーーーーー!!」

 

僕は叫びながら、師匠の元に走っていた。

モンスターの群に突っ込む。

 

それがどんなに愚かだという事は

頭では理解している。でも・・・走ってしまっていた。

 

「師匠・・・・師匠・・・・」

 

師匠の元にたどり着いた僕の足が血で染まる。

もう何をやっているのかわからない。

 

 

師匠を攻撃していたモンスターが僕にタゲを変えた。

そして振り落とされるたくさんの刃。

 

僕は師匠を抱いて、今日二度目の死を覚悟した。

 

そして、僕の意識は闇に消えた・・・