題名不明その9


意外に話が長くなるような気がしてならない
今日この頃・・・
いつになったら傍観者になれることやら・・・
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「おつかれさん。はい、これ。」

仕事を終え、帰ってきた彼女はピンキオに報告していた。

もう辺りには人が行き交い、
昨日のような賑わいを見せていた。

「旅人手帳の使い方は最初の方に書いてあるから
 必ず読んどいてね。」

ペラペラとめくりながら、
ピンキオが言ったページをながめる彼女。

『この旅人手帳(以後この本)は
 身分を証明できるものであり、必ず持っていること。
 特別な場合以外、
 この本は持ち主以外触れることは出来ない。
 (特別な場合:持ち主が死亡した場合
        持ち主が許可した場合
                     〜略』


「そうそう、情報は後で言うよ。」

彼女がそのページを読み終わったのを図ったのごとく、ピンキオは言った。

ムッという顔をした彼女が、
言葉を発する前にピンキオは続けた。

「さきに神官に会った方がいいと思ってね。
 ついでに装備も固めてきなよ。」

「昼ごろまた来てね」とつけたすと、
他の初心者と思える人たちを話をはじめたピンキオ。

たぶん、彼女同様に仕事を渡しているんだろう。


「まっ・・・しょうがないか。」

と言い残し、彼女はその場を去った。