題名不明その19 更新の仕方を変えてみました。 (階段より見やすそうだから!!) もう19回投降したんですね・・・ まだ見ている人いるのかな・・・(ぼそっ ―――――――――――――――――――――――――――――――― 夢の中にいる彼女。 あの時の記憶が・・・夢で繰り返される。 眼前に塊が・・・ −すべての罪を許しましょう。 永遠なる闇よ、お前の死をもって!!ー 攻撃が当たるか当たらないかの狭間で聞こえたやつの声・・・ 左を咄嗟に前に出し攻撃を受ける。 左腕に魔法の塊が食い込む。 纏った風が肉を抉り、威力が収まる様子も無い。 むしろ、威力が・・・スピードが増しているような感じである。 左から伝わる、痛み・・・ 左腕から出血がひどくなる。 地面にぽたぽたと流れ落ちる。 次第に、出血量が多くなる・・・ 塊の大きさが変わっていく感覚に囚われる・・・ (あっ・・・ ふと、気づく。 この魔法が自分の魔法だということ。 そして・・・自分の最高魔法だということに・・・ ・・・まずい!!! 右手に魔力をこめ、左手を打つ。 ドゴーン 大きな爆発が起きる。 近距離にいたせいか、体が飛ぶ。 そのまま後ろにあった木にぶつかった。 ・・・ 視界がぼやく。 左の感触が無い。なんか・・・ 左がないような感覚だ・・・ 全身が痛い。だが左から伝わる痛みで消されている。 視界が次第に赤く・・・染まっていく。 −さすがに、自分の魔法では殺せませんか。 私達はこの魔法に苦戦したというのに・・・ 君は左手を犠牲だけで済むとは・・・ しかし・・・ 生き続けて何になるというんですか・・・ 君が振りまくのは”死”だけ・・・ 誰が望む・・・ 君以外に・・・ー 奴の言葉が形となり私の中に入ってくる・・・ 次第に積もっていく・・・絶望という名で・・・ (もう生きていく意味がない・・・ 奴の言っている事は真実・・・ この惨劇の原因に私がある・・・ 例え、惨劇を引き起こしたのが奴らであっても・・・ 私のせいなんだ・・・) ー・・・さて、鬼ごっこももう終わりにしましょう。 私達ができる唯一のこと・・・ 君に・・・永遠の眠りを・・・− そういい終えると、奴の右手が私に向けられる。 魔力が次第に肉眼で見えるほど・・・奴の手に篭る。 (・・・これで・・・) −これで・・・− 「・・・・!!」 何の叫び声が私の耳に届く。 奴の目線が私からずれている。 そちらに目線をずらすと・・・ 一人の人が立っていた。 長い紫の髪を風に揺らしながら 肩で息をしている女性がそこにいた。 「・・・シオン!!!」 私は叫んだ。あの女性は知ってる。 あの女性は・・・ げほげほ・・・ 口から血を出す。無理に叫んだせいか・・・ 「・・・・!!」 またシオンが叫んでいた。 ・・・よく聞き取れない。 そして足音が聞こえる。 「大丈夫!?!」 視界にシオンの顔が映る。 心配そうな顔と・・・ 全力疾走してきたという感じの疲れも見えた・・・ (この姿を見て・・・ よく「大丈夫!?!」なんて聞くよな・・・) −ほぉ・・・まだ生きていた人がいましたか・・・ー いまだに、魔力が篭っている右手の矛先を シオンに向けるのが・・・見えた・・・ 「シォ・・・ 「よくも、僕の相棒をいじめてくれたね。 しかも・・・この町の状況を作ったのは・・・あなた? なら、容赦しないわよ。」 私が言い終える前に、シオンが言う。 そして、シオンは構え始めた。 「シオ・・・」 シオンが集中してしまうともう 耳に入らないことを思い出し、言うのをやめる。 ”すべての罪を許しましょう” 奴の言葉が繰り返される。 許す?・・・誰に? 死んで逝ったものたち? 違う! もう存在しないものたちに許されたって・・・ 奴ら? ・・・・・・ ぐるぐる回る思いに、一つの結論を出す。 「・・・・」 小さく唱えた魔法の呪文。淡い光が私を包み込んでいく。 体中の痛みから解放されていく。 左の感触も取り戻す。 「!!!?」 −!!!?− シオンと奴が驚きながら私を見ている。 「シオン・・・。この戦いにシオンは 関係ない。い・・・」 「トキ!!君が関わっている時点で 僕も関わっているんだよ。関係ないとは言わせない。」 「しかし!!」 「しかしじゃない!!」 ・・・久々に名前で呼ばれたな・・・ 「・・・すまん」 「なんで謝るのかなぁ?」 −話は着いたかな・・・ さて・・・どういうことで生きることにしたのかは 聞かないことにして・・・ ・・・始めようか・・・ー もう・・・死のうなんて考えない。 私は生き続ける。今まで私が見てきた人の記憶を持って・・・ 許されようとは思わない。自分を許そうと思わない。 私は背負っていく、この罪を・・・ それが・・・私に出来る唯一の償い!! 奴の手を覆っていた魔力が放たれる。 風が引き起こされ、地面を抉る。 「・・・」 私の短い斉唱で風が巻き起こる。 奴の風と私の風がぶつかり・・・辺りを土煙が覆う。 シオンがいきおいよく飛び出す。 その間、私は木に寄りかかりながら長い斉唱に入る。 視界が晴れた頃には奴の後ろにシオンの姿が見えた。 近距離は奴は苦手らしい。 シオンの攻撃を避けているとはいえ、攻撃に回れないでいる。 「シオン!!」 その声が聞こえ、シオンが奴から離れる。 私の長い斉唱がここに終わる。 奴の上空に、小さな隕石が突然現れ 重力に押しつぶされ、落下してくる。 これで終わりだ!! そう思った私の耳に聞こえた音・・・ この音は・・・ そう思うまもなく隕石が奴の頭上に現れる。 そして、奴の側を動く影・・・ まずい!! 手をいきよいよく引く。 隕石が落下地点が微妙にずれ・・・ 奴と私の間におちる・・・ 土煙が巻き上がり、視界が遮られる。 −さすがですね・・・ さすがに ”グランドマスター”と呼ばれるだけのことはある・・・− 奴とは違う声が爆音にまぎれて聞こえる・・・。 次第に晴れていく視界に映ったもの・・・ それは・・・ 奴と、奴の隣に立つ黒いフードを被った人と・・・ そして、そいつらの前に立つシオンだった・・・ ・・・・・・ ミルレスに月光が照らす中 彼女はベットの上でうなされていた。 こうして、彼女の最悪の日は 悪夢で始まり悪夢で終わりを告げた。
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