題名不明その15


うっ・・・予想より長くなってきた。
もうちょっとハイペースで書きたいような・・・
まったり書きたいような・・・;_;
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シュンは驚いていた。

メディア達の方に気が取られていたせいも
あって、魔法を食らったことにも驚いたが・・・

ネクロが魔法を使うなど・・・


サラDでもネクロは見たことある。
魔法を使ってくるのは百も承知だ。

だが、こちらに出てくる通称レアネクロは
魔法など使えるなど見たことはもちろん、聞いたことさえない。


左足に激痛が走る。

右手を当て、回復を試みるが
この短時間で直るものでもない。

回復をあきらめ、前を見据える・・・。

ネクロはこっちに向かって歩いてくる。
奴はシュンをターゲットにしたらしい。


(アレンが気を失っている・・・
 ネクロをこの場から離すか・・・)


立ち上がり、ネクロと距離を取ろうとする。

しかし、左足に激痛が走り、その場にしゃがみこむシュン。


彼をいきなり影が包む。


見上げるシュンにはどう映っただろう。


ネクロは彼の目の前に立ち
その杖を高く持ち上げ・・・




ドゴーン



爆音が辺りを包む。

「後ろに飛べ!!」

音がやむかやまないかの、狭間から聞こえる鋭い声。

シュンはその通りに飛んだ。

飛びながら、声のした方向を見る。


彼女だった。
ネクロの奥から言っていた。

ネクロの注意も彼女に移る。

ネクロ杖が微妙に光っていた・・・


「あっ・・・」

シュンはさっきの光景を思い出していた。
ネクロが魔法を打つとき見えた光景。

ネクロ杖が光り、その先から作られた火の玉・・・

記憶と今の光景が結びつく。

「魔法だ!!避けろ!!!!」

彼女の耳に届いたか、それとも・・・
彼女は手を上げる。

注意が上げられた手に集中する。

何も起こらない。ただ、手を上げている・・・


 そうまるで、何かの合図のような・・・


シュンの耳に風を切る音が聞こえた。
何かがシュンの横を通り過ぎたのである。

  ・・・爆弾?!?

その爆弾は、ネクロの手前で地面をえぐり
爆音と土煙に包まれたネクロ。


「シュン兄!」

爆音がやむかやまないかの狭間に、シュンは後ろから声をかけられた。

「・・・メディア!無事か!」

右手にダガー、
左手に何か袋を持った、メディアがそこにいた。

「シュン兄、これ・・・」

シュンに近寄り、左手の袋を差し出す。

「これは?」

袋はモス皮で作れたみたいで、黄色かった。

「えーと・・・

 メディアの視線が彼女に向けられる。

  あの子曰く・・・塗り薬らしいです。
  怪我した足に塗ってくださいっと言われました。」

シュンが彼女の方に向く。

上げられた手は下ろされ・・・

「あっ・・・」

メディアが鞄を漁り・・・
出したのは、爆弾であった。

そして、火を付け
ネクロに向かって投げる。

弧を描き、飛ぶ爆弾。
そして・・・


ドゴーン

再び鳴り響く爆音。
土煙は巻き上げられ、ネクロの姿を確認できた。

しかし、それは一瞬で・・・
再びネクロを煙が覆う。


「・・・メディア。これじゃネクロは倒せないぞ。」

左足に塗り薬といわれたものを塗り
少し立ち上がり、なんとか動けるようになったシュンが言う。


  ・・・・・・