題名不明その11


んー、ここまで来るとコメントが・・・
ない・・・(ただお話を楽しんでいってください。
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彼女は朝通った道を歩いていた。
モスエリアをただただ突き進んでいた。

だが・・・今回は違った。

ピンキオから仕事をもらったわけではない。
ただのフリータイムだ。

朝に比べると太った鞄が彼女の足を遅くしていた。
・・・いや違った。

彼女は歩きながら、考え事をしていた・・・



「ネクロケスタ??」
「そう、ネクロケスタ。」

昼を取ったあと彼女は、
ピンキオから情報をもらっていた。

「本来はサラセンD(ダンジョン)の奥深くに住んでいるだけど、
 ごくまれに、この辺の森に現れるんだよ。

 レアネクロといわれて、それを狩るために高Lvの人が
 うろついていることもあるんだけどね。」

サラセンD・・・地形説明を省くために神官に会わせたのか?
と内心思いながら・・・

「なぜ、こんな情報を?」

もう一つ質問はあったが、あえて聞かないことにした彼女。

「おおまかに三つ。

 一つは予想はついていると思うけど、注意と忠告。

 二つ目は、新しく見つかった町とダンジョンがあってね、
 高Lvの人はほとんど、そっちに流れ込んでいるんだよ。」

(あぁ、神官が言っていたな。
 ・・・確かカレワラと不思議な国だったかな?)

一つ間を置いたピンキオに耳を傾ける彼女。

「三つ目は、君の場合・・・
 一人で無茶をしそうだからだよ。
 人が襲われていたらなおさらだろうね。」

一つの沈黙が降りる・・・。

彼女は自分の性格が言い当てられ、唖然としていた。

まだ会って2日も経ってないのに・・・
伊達に・・・

「伊達に、僕はいろんな人と会っていないよ。
 君のような人はたくさんいたよ。」

ピンキオは視線を空へと変える。
「なつかしいなぁ」とつぶやいていた。

「無茶をするな、命を大事にしろと言うのか?」

(命か・・・)
内心複雑な彼女が、言い放つ。

「違うよ。協力して倒せばいい。
 君は一人じゃないんだから。
 周りには仲間がたくさんいるんだよ。」

「僕もその仲間のうちさ」と付けたし
うけを狙ったピンキオ。

「・・・。」

プッと彼女が笑い出した。
重くなっていた空気が和らいだ・・・。

「仲間か・・・」



彼女は気づけば、モスウォーリアの生息エリアまで来ていた。

[考え事しながらよく、ここまで来れたな]と

他の人が見ればそういうだろう。

幸い、人もいなく、目の前に障害物もなければ、モンスターもいない。

静かなものだ。

彼女はいまだに考えていた。
考えれば考えるほど深みにはまり、逃げ出せなくなっていた。

もやは自分では逃げ出せなくなり、なにかきっかけが・・・




「きゃーーーーーーーーー」

森を突如包み込んだ悲鳴は、彼女の耳にも届いていた。

考え事をすっかり忘れ、
ただ、悲鳴のした場所に向かって走っていった彼女・・・


静か過ぎる森に、ただ駆け足の音が響いていた・・・