My Way 親子 後編


「玉座・・・・・・久々だな」

「ボクも久々って感じるなぁ」

大きな扉、覚えてる

お父様はお母様、お兄様もいた・・・・・・


今はきっと、宰相が居るんだろうけど


「入る・・・・・・か、兵の足音が聞こえる」

レイレンが剣を握り締めつぶやく

「そう・・・・・・だね」


ギギギ・・・・・・


ボクは重々しい扉を開けた



「よくいらっしゃいました、ミュリエル姫、レオン殿」

玉座に座ってるのは、宰相

「そこは、お前の席じゃないよ、お父様の席だ」

冷たい目をしたボク

自分でも分かるほど、殺気が出ていた

「先代はもう居ませんぞ、ルアスの王はこの私です」

「殺したのは誰だ!お前だろう!?」

堪えきれなくなって、突っ込んでしまう

もう、理性なんて吹っ飛んでた


ガガッ

ボクのダガーをとめたのは、ボクの一回りも二回りもある、スレシャーパンプキン

血のついた、包丁


ギギギと、いやな音をさせてダガーが削れる

「ミュリエル!」


ドンッ


火の粉が、舞う

「危ないだろう!?」

ボクの腕を引っ張る


「よく見ろ、敵は宰相だけじゃない・・・・・・」

レオンの言葉で目が覚める



宰相を守るように、スレシャーパンプキンとネクロケスタ

「・・・・・・マズイね」

ボクは、そうとしかいえなかった

いまさらになって、恐怖を感じた






パパさんとアリスさんに連れられ、走る

執務室から、玉座までは近いらしい


「ここだ」

少し走るだけで、巨大な扉の前に着く


ゴゥン


扉の中から、鈍い音

「レイレン!ユエ!」

叫び、扉を開ける淕



鈍い音は、レイレンの魔術だったようだ


レイレンはネクロケスタに火炎魔法を使っていて、

ユエは必死にでっかいかぼちゃから必死に逃げていた


「姫!」

怒鳴り、ラガーさんが前に出る

素早い手つきで槍を二回刺す

ひるむ、かぼちゃ

「ユエぇっ」

あたしはユエに駆け寄り、スーパーヒールをかける

「大丈夫だよ?ちょっと疲れた・・・・・・だけ」

笑顔が引きつっていた


「アリス!手伝え!」

パパさんの声に反応し、地面に槍を立てる


ガガガガガ

地面が、揺れる


「すごい・・・・・・」

口をポカーンとあけて呟いてしまう

「そりゃ、ね。将軍だもん」




ボグァッ

地面が割れる


「ぅるぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

光る拳を振るう淕


「ハッ」

淕を追いかけレイレンが飛ぶ

炎をまとわせた剣が薙ぐ

ネクロは骨の形をした杖で受け止める


前戦ったやつより強かった

けど、あたしたちだって強くなってる



「下がれ!」

パパさんが勢いよく槍を突き刺す


パァンッ

鈍いというか、軽い音

砕ける音にも似て、はねる音のような・・・・・・


ゴゴゴゴゴ

かぼちゃが崩れ落ちていく



「これが・・・・・・最後だぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっっ!」

淕が怒鳴り、蹴り上げる

「くたばれ・・・・・・っ!」

炎をまとった剣を突き立てる


ヴォフン


ネクロの身体は黒い煙を吐き、残ったのは杖


「おい!」

ユエが王座に座る宰相の下へ走る

「何の真似?何で城にモンスターが・・・・・・」

途中で言葉をなくす

「どうしました?」

パパさんがユエに近寄る

「・・・・・・もう、死んでる」

ユエに襟首をつかまれた宰相の息はもう無く、顔は蒼白だった


「・・・・・・いつの間に」

パパさんも息をのみ、呟く


淕もレイレンも、あたしもアリスさんも近づく


ゴソ


王座の後ろの影が、少し揺らめく

「え?」



たゆたうように出てきたのは、鎌を持った猫

クスクスクス


笑い、飛び跳ねる

「え?あ?何?」

あたしはびっくりしながら、目で追う

みんなは、まだ戦闘態勢だった


「オワッタ、オワッタ」

甲高い声でしゃべる

「!」

ユエが追いかける


猫は巧みに避けながらしゃべり続ける

「ゼンブ、オワッタ。コレデ、オシマイ」

きょろきょろあたりを見回しながら飛び跳ねていたが、淕を見つめる


「イタ、イタ、ニゲタ、オクビョウモノ、ヨワムシ、ウラギリモノ、ニゲタ、ニゲタ、ニゲ・・・・・・」

青ざめる淕


「しゃべりすぎだよ」

ユエのダガーが、猫の頭を貫いていた


「り・・・・・・く?」

下を向いてる

「どうしたの・・・・・・?」

「・・・・・・何でも、ねぇよ」

あたしの頭を軽く叩く




猫の言っていたことは何か分からなかった



「レオン・・・・・・」

パパさんがレイレンを見つめる

「・・・・・・親父」

レイレンは、目をそらし呟く

「よく、戻ってきたな」

そういって、レイレンを抱きしめた



「親子の愛情って、あんなのだよね」

「・・・・・・あぁ」

遠くを見る、淕



あぁ、そうか・・・・・・

淕は、知らないんだろうな



さすがにそんなことは聞けなかったけれど


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あぁ〜・・・・・・何か、戦闘変だなぁ〜・・・・・・。

更新速度がすさまじく遅いです・・・・・・が、頑張ります!