My Way 絆


「ここ・・・・・・どこ?」

水の音と、まぶしい光

スオミダンジョンじゃないのは確実だ

「ここ?レイレンがスクール時代暮してたトコらしいよ」

いつもの服装、長い髪をなびかせて窓辺でたたずむユエ

「大丈夫?あの後失神しちゃったんだよ?」

ユエが心配そうに、顔を覗き込む

「ん・・・・・・大丈夫」

記憶を探る

生々しい記憶・・・・・・


「なずなは、大丈夫なの?」

「あの子?そろそろ旅立つって」

「え!?」

あたしは急いでベッドから飛び降る

「お見送りに行っておいで、多分まだ下にいるから」

「ユエは?」

部屋から出かけ、聞く

「ボクは・・・酷いこと言っちゃったし・・・・・・ね。みゆちゃんが寝てる間にお別れは言ったし」

まだ、窓の外を見ながら言うユエ

「そっか、じゃ、いってきま〜す」


バタン


2階建ての広い家だった


「魅悠・・・・・・まだ寝てんのか?」

淕の声が聞こえる

「今ドアが開く音がしたから、そろそろだろ」

「呼んだ〜?」

急いで階段を降り、なずなの首に飛びつく

「キャッ」

なずなはびっくりして、声をあげる

「ホントによく寝るよな・・・・・・お前」

笑って、いう淕

淕の服が、変わっていた


「その服・・・・・・?」

青い、拳法着

「ゼガの、形見。あたしが持ってても仕方ないと思って」

なずなは笑っていう


「ゼガさんのゴーグルは、ユエが装備するんだけどな」

ニィっと笑っていう、少しサイズが大きいみたいだけど、十分似合ってる

「魅悠さんもこれ、貰ってください」

そう言ってなずなが差し出したのは、リィンさんの形見の法衣

鮮やかな水色に、白い十字架・・・・・・

「使ってください、そのほうがきっとリィンも喜ぶから」

微笑むなずな

「・・・・・・まだあたしには早いけど・・・・・・いつか、これを絶対着るよ」

あたしも満面の微笑で答える

「リィンさんの羽根付き帽子は俺が貰うよ?」

赤い羽根付き帽子を被るレイレン

「似合う似合う〜」

「ワンさんには、何もあげられないけど・・・・・・」

「いや、良いさ」

そう言って笑うワン

「別に、モノが欲しいわけじゃないしな」

「モノ狙いだったら嫌ですよ」

なずなの言葉に、笑うあたしたち



「なぁ、魅悠。ちょっとユエを呼んできてくれないか?」

ワンが真剣な顔つきでいう

「うん、分かった〜」



階段を駆け上がる


バタン

「ユエ〜。ワンが降りて来いって」

「?」

不思議そうな顔をしながら、あたしについて階段を下りてくる

「何か用?」

6人、全員が揃う

「俺さ、ちょっと抜けようかと思って」

呟くように言う

え・・・・・・


「・・・・・・」

みんな、黙ったまま

「・・・・・・わかった、抜けてどうするんだよ?」

ちょっと、不機嫌そうに言う淕

「なずなを、生まれ故郷のカワレラへ送っていくだけだよ」

「カワレラ・・・・・・結構遠くない?」

「あぁ、遠いよ。独りじゃ危ないし・・・・・・な」

なずなのほうをむいて言うワン

「すまんな」

「何で謝る必要がある?」

淕がワンを睨み言う

「送っていくだけなら、後で合流するんだろ?俺たちがカワレラまで追いかけてっても良い

 後で逢えるんだろ?謝る必要なんか無ェよ」

「そーだよ、後で合流じゃないの?それともなずなと逃避行?」

「いや、合流するさ」

顔を引きつらせるワン

「待ってるから、さっさと行ってこいよ。俺たちの噂が流れるぐらい強くなるから」

「ああ」

・・・・・・友情だなぁ

ワンが居なくなるのは、寂しいけど・・・・・・

いつか戻って来るんだもん

今より、あたしも頑張らなきゃね



「じゃあ、行ってくる」

新しい、黒のレザーアーマーに身を包んだワンが言う

「いってらっしゃい」

あたしは笑っていう

「お世話になりました。ユエさんに言われて目が醒めました

 一度、カワレラへ戻って・・・・・・1から出直してきます」

ペコリとおじぎをするなずな



「がんばれよ」

「じゃあな」

「お世話になりました〜」


なずなと、ワンが歩き始める

4人になったあたしたち

「さて、買い物でもするかな?」

レイレンがあたしの頭をポンっと叩いて言う

「みゆちゃんもあたしも、服がボロボロだし〜、お金貯まったでしょ?買ってよ♪」

ニヤニヤして言うユエ

「だなぁ、行くか」

淕も乗り気だ



離れてたって、絆は変わらない

どれだけ過ごした時間が少なくても

あたしたちは何時までも仲間


------------------------------------------------------------------------

これで一応、第一部はおしまいです・・・・・・。

これからも頑張りますので、宜しくお願いしますぅ〜m(__)m